京都で写真展「原爆棄民」

 北朝鮮在住の被爆者の写真を撮影した、写真家の伊藤孝司さん=19日、京都市
 北朝鮮在住の被爆者の写真を撮影した、写真家の伊藤孝司さん=19日、京都市


出稼ぎや徴用で来日し、広島や長崎への原爆投下で被爆した朝鮮半島出身者の写真や証言をまとめた展示会「原爆棄民」が19日、立命館大学国際平和ミュージアム(京都)で始まった。8月9日まで。写真家の伊藤孝司さんが1980年代から韓国や北朝鮮で取材した。伊藤さんは、国交がないため日本政府の援護対象外となっている北朝鮮の被爆者は「原爆棄民」だとして、早急な医療支援や補償を訴えている。
日本政府は当初、医療費や手当の支給を日本にいる被爆者に限定していた。在韓被爆者ら国外の被爆者は裁判を通じて援護の権利獲得を目指し、2003年から日本政府は在外被爆者への手当支給を始めた。
ただ、北朝鮮在住の被爆者を巡っては、日朝関係が悪化したことなどを受けて日本政府による援護に向けた動きが止まっている。存命の被爆者の正確な数も分かっていない。北朝鮮の団体「朝鮮被爆者協会」は07年末時点で2千人近い被爆者のうち、約380人が健在だとしていた。
(共同)

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