2016年12月7日(水)

常総 ロケの街復活へ 通算1300本、回復傾向

1300本目となった映画「バケツと僕!」の撮影現場=6日、常総市大生郷町
1300本目となった映画「バケツと僕!」の撮影現場=6日、常総市大生郷町

映画やドラマの撮影地として知られる常総市のロケ件数が6日、通算1300本に到達した。昨年9月に発生した鬼怒川決壊の影響で、想定より半年遅れの達成になったものの、市担当者は「水害で落ち込んでいた撮影件数がここに来て戻りつつある。1300本を機に盛り返し、ロケの街復活をアピールしたい」と意気込んでいる。

■献身的に協力

1300本目になったのは来秋公開予定の映画「バケツと僕!」。撮影地は古い木造校舎が現存する同市大生郷町にある市青少年の家。この日から2泊3日の日程でロケが始まった。市は節目を記念して、菓子や新米をロケ隊にプレゼントした。

作品は、児童養護施設に勤める青年と、軽度の知的障害がある少年の友情を描いた人間ドラマ。シンガー・ソングライターの紘毅さん、演歌歌手の徳永ゆうきさん、女優の杉田かおるさんらが出演する。初日はスタッフを含め65人が現場に入り、主人公2人が出会うシーンなどを撮影した。

プロデューサーは、同市内で20本近く撮影してきた実績を持つ竹山昌利さん(63)。竹山さんは「市担当者が献身的に協力してくれ、仕事がやりやすい。弁当やエキストラの手配はもちろん、撮影で使うテーブルや椅子の調達もすぐに対応してくれる」と、市の受け入れ体制の良さを絶賛する。

■水害で急減

市がロケ誘致に力を入れ始めたのは、常総フィルムコミッション(FC)を設立した2003年。都心から車で1時間という地理的な好条件を武器に、古民家などのロケ地を制作会社に売り込んだ。

こうした努力もあり、ロケ件数は年間100本前後まで増加、13年6月には通算千本を記録。そのまま推移した場合、6月にも1300本に達する見通しだった。

だが、昨年9月に水害が発生。撮影に貸し出していた公共施設が避難所や災害ごみの仮置き場になり、市のFC担当職員は水害対応に追われた。

このため、月平均のロケ件数は水害前の8本から5本に減少。市内ホテルへのロケ隊宿泊などによる経済効果は、14年度が年3100万円だったのに対し、本年度上期はわずか270万円まで減少した。

■今後も誘致

水害から1年以上が経過し、被災したロケ地の復旧も既に完了。制作会社からの問い合わせも徐々に増え、10月の撮影件数は12本に上り、回復傾向をみせた。

市のFC事業に長く携わってきた土井義行商工観光課長は「夏以降、制作会社と積極的に連絡を取り、撮影できそうな場所の写真を提供するなど、種をまいてきた努力が実りつつある」と分析する。

市は本年度の撮影件数については70本前後を想定。土井課長は「今からでもこれを上回るように努力したい」と、今後も引き続き誘致活動に力を入れる考えを示した。  (今橋憲正)



次の記事:常総・廃材火災 保管、基準超える高さ

全国・世界のニュース

2019 年
 5 月 24 日 (金)

メニュー
投稿・読者参加
サービス