2018年5月9日(水)

雪村の業績、次世代に 常陸大宮 顕彰会が来月発足

雪村周継筆「紙本著色金山寺図屏風(部分)」(笠間稲荷神社蔵、県指定文化財)
雪村周継筆「紙本著色金山寺図屏風(部分)」(笠間稲荷神社蔵、県指定文化財)

常陸大宮市出身で戦国時代の画僧、雪村周継(せっそんしゅうけい)の業績を明らかにしようと「雪村顕彰会」が6月に発足する。設立準備会の冨山章一会長(68)は「世界に誇れる地元出身の画家だが県内の知名度は低い。県民主導の会とし、雪村の業績を次世代に引き継ぎたい」と会への参加を呼び掛ける。


佐竹氏の一族に生まれた雪村は、廃嫡(はいちゃく)され出家後に絵を学び、東日本各地を訪れ水墨画を描いた。緻密な筆さばきと自由で奇想天外な視点を持ち独創的な作品を残す。

「呂洞賓図(りょどうひんず)」「琴高(きんこう)仙人・群仙図」など現存作品のうち国指定の重要文化財は9点。同時代の資料に画僧の記録はなく、その生涯は伝承や作品が頼りで、未解明の部分も多い。

雪舟と並び海外での評価も高い。国内では昨年3月に東京・上野の東京芸術大大学美術館で回顧展が開かれ注目を集めた。一方、県内の所蔵または寄託作品は計47点、うち県指定文化財は3点だ。冨山さんは「県内にある作品や資料は少ない。関心が高まる今、生誕地から研究を進め発信したい」と意気込む。

顕彰事業の3本柱として、県立歴史館や鹿島神宮など所蔵先と連携した展覧会やシンポジウムの開催、機関誌の発行を掲げる。雪村ゆかりの地を紹介するロードマップを作成したり、会員以外も参加できる視察会などを通し、雪村への理解を深める。

作品の発掘や再発見もさることながら、文献や考古資料の収集も課題とする。江戸時代の史料に残る下村田の屋敷跡の特定や、発掘などの学術調査を進めたい考えだ。冨山さんは「時代にこびず自由な発想を持った先人がいたことを知ってほしい」と話している。

設立総会と会の発足を記念するシンポジウムを6月2日、常陸大宮市中富町の市文化センターで開く。東京芸大大学美術館の古田亮准教授が「雪村作品の価値と魅力に迫る」と題して基調講演を行うほか、パネルディスカッションを開催する。問い合わせは同市教育委員会文化スポーツ課(電)0295(52)1111。(大貫璃未)

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