2018年7月13日(金)

がん患者の社会復帰支援 ウィッグや乳房補整具 茨城県、購入費を半額補助

乳がん経験者でつくる「乳がん仲間の小さなおしゃべり会momo♪」の交流会=水戸市
乳がん経験者でつくる「乳がん仲間の小さなおしゃべり会momo♪」の交流会=水戸市

がん患者の社会復帰を支援しようと、県は治療による脱毛や乳房の切除手術を経験した患者に、ウィッグ(かつら)や乳房補整具の購入費を補助する制度を始めた。2万円を上限に購入費の半額を助成する。見た目の変化に伴う悩みの軽減につなげる狙い。患者団体からは「経済負担を気にして買えない人にも行き届くと良い」と期待する声が上がる。

6月上旬の土曜日、水戸赤十字病院(水戸市)の会議室の一室に約20人の女性が集まった。乳がん経験者でつくる「乳がん仲間の小さなおしゃべり会momo♪」の交流会で、病気や日々の悩みを話し合った。

日立市の高橋裕恵さん(57)は2004年に右の乳房にがんが見つかり、全摘手術を受けた。その後も再発や転移が見つかり、抗がん剤治療の副作用で髪の毛が抜けた。「最初はがんにならなきゃこんな思いもせずに済んだのにと思った」と話す。

しかし「ここまできたら何でもやりたいようにやろう」と、乳房補整具とウィッグを購入。摘出によって体形が変わり、洋服を着た時のシルエットが気になっていたが、着けることで体形がきれいに見えるようになったという。ウィッグもかぶることで「晴れやかな気持ちで外出できるようになった」と喜ぶ。

県によると、県内のがん罹患者は年間約1万7千人。うち4割は女性で、女性の部位別で見ると、乳がん患者が最も多い。抗がん剤治療の副作用で髪の毛が抜けたり、乳がんによる乳房の切除手術で見た目が変わったりするため、患者の中には、周囲の目を気にして外出を控え、就労をためらう人が少なくない。しかしウィッグや乳房補整具の価格は数万〜数十万円。抗がん剤治療など高額な治療を受けた患者は、経済的な負担から購入をためらう人もいるという。

経済的負担を少しでも軽減しようと、本年度から補助を開始。来年3月末までに購入したウィッグ(全頭用かつらに限る)と乳房補整具(補整下着、人工乳房など)の費用を補助している。補助回数は1人1回で、2万円を上限に購入費の半額を補助する。このほか、20〜30歳代のがん患者に対し、車いすや特殊寝台などの購入費の半額を2万円を上限に補助している。

いずれも、県看護協会ホームページから申請書類をダウンロードし、必要書類を添付の上、窓口まで持参か郵送する。窓口・問い合わせ先は「いばらき みんなのがん相談室」(水戸市緑町、県保健衛生会館1階)(電)029(222)1219。 (成田愛)

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