2018年8月11日(土)

台風13号、2市勧告 避難情報 市町村に差 発令判断「早め」「慎重」

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台風や豪雨など自然災害が迫ったとき、自治体から出される「避難勧告」「避難指示」などの情報。台風13号が接近した8日も県内で発令された。ただ、避難勧告は44市町村のうち龍ケ崎、桜川の2市だけ。前段の「避難準備・高齢者等避難開始」の発令は計6市町村で、同じ地域でも発令の有無があった。国や県に発令権限がない中、「市町村で発令判断の差が大きい」「個別の発令判断は難しい」と自治体の防災担当者たちは口をそろえる。

■空振り恐れず

8日午後1時、台風13号がまだ本州の南東海上を進んでいた段階で、龍ケ崎市は「避難準備・高齢者等避難開始」を発令。同5時20分、大雨・暴風警報を受け同市は、土砂災害警戒区域の372世帯963人に県内でいち早く「避難勧告」を発令した。

桜川市も同日午後1時、土砂災害警戒区域の984世帯3083人を対象に、「避難準備・高齢者等避難開始」、同6時15分に「避難勧告」を発令した。同市では9日午前6時30分時点、高齢者を中心に県内最多の26世帯52人が自主避難した。

このほか鉾田、阿見、利根、美浦の4市町村が「避難準備・高齢者等避難開始」を発令した。

「空振りを恐れないとの理念で、災害時の発令は早めを心掛けている」。龍ケ崎市危機管理課はこう説明した。同市は昨年度、民間気象予報会社と契約し、台風接近時の進路や危険性の分析、職員や市民対象の気象教育を行っている。

今回、国が避難勧告マニュアルで示す土壌雨量などの発令判断ラインに達する前の段階で、同市は発令に踏み切った。「市民の一部から早過ぎるとの声もあったが、市民の安全が一番」と同課は言い切る。

桜川市も早期発令に自信を持つ。「特に高齢者には早め早めに、夜になり暗くなる前に安全確保の情報を伝えたかった」と、同市の防災担当者は今回の台風対応を振り返った。

同市も細かな発令基準にとらわれず、消防OBの消防・防災監を中心に、状況に応じた判断に努めているという。自主防災組織を積極的に構築する中で、地域の区長らと意思疎通を深めていることも、早期発令に踏み切れた要因という。

■混乱の懸念も

一方、大多数の38市町村は今回、避難情報を発令しなかった。地域実情と独自の判断基準に基づき発令をしなかった自治体のほか、被害想定を頭に入れつつも「早過ぎる」と見送った自治体もあった。

「早過ぎる避難情報発令は逆に混乱も懸念され、二の足を踏む。不安をあおるだけの可能性もある」「台風が来るたびに発令して肩すかしに終われば、本当に避難が必要なとき、おおかみ少年のように誰も信じなくなる恐れがあるので、慎重に判断している」。発令しなかった自治体の防災担当者の声からも、早期発令の有効性を認めつつ、慎重な発令にこだわる姿勢がうかがえる。

ある自治体の防災担当者は「地元を一番良く知るのは地元。統一した発令基準や国、県に発令権限がないのは仕方ない。ただ、ばらつきがあるのは良くない。住民の生命財産を守るため的確で最善の判断を下せるよう、各市町村はもっと努力しなければならない」と自戒を込めて語った。(三次豪、平野有紀)

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