2018年8月28日(火)

受信側の負担軽減を実現 ストリームテクノロジのデータ圧縮モジュール

データ圧縮モジュールを組み込んだ試作ボードを確認する山際伸一社長=つくば市松代
データ圧縮モジュールを組み込んだ試作ボードを確認する山際伸一社長=つくば市松代

映像をはじめ切れ目のない大規模データ「ストリームデータ」の流れを一切止めずに圧縮と解凍を行い、受信側の扱うデータ量を低減できるのが、ストリームテクノロジ(つくば市)のデータ圧縮モジュールだ。

構内情報通信網(LAN)ケーブルなどのデータ伝送路には、送信できる容量幅に限界がある。そのため大規模データを送信する際には圧縮する必要があった。ただ従来の圧縮技術は、受信側に元データをためた上で、コンピューターの頭脳である中央演算処理装置(CPU)がデータ内に2度以上出る単語を1文字に置き換えるといった手法が主流だった。時間がかかり、受信側の負担が大きかった。

一方、このモジュールを送信側と受信側に組み込めば、伝送路上で圧縮と解凍を行うことができる。置き換え作業は最小限にとどめ、受信側の負担を減らすことで時間の短縮、省電力化を図るという。


データ圧縮のうち、元データと圧縮・解凍の処理を経たデータが完全に等しくなるデータ圧縮方法を「ロスレス圧縮」と呼ぶ。

このロスレス圧縮が求められる職場の一つが、磁気共鳴画像装置(MRI)やコンピューター断層撮影装置(CT)を扱う医療機関。元データと同じ高精細な画像でなければ、患者の疾患を見逃す恐れがあり、大規模データを取り扱わざるを得ない。

医療機関には保管用のデータセンターがあるが、拡張に迫られ投資額がふくらんでいるという。これに対し同社のモジュールは大規模データを圧縮した状態で保管できるようになり、投資額の伸びを抑えることができる。


同社のデータ圧縮技術は、筑波大准教授の肩書を持つ山際伸一社長と、物理学を専門とする九州工業大の坂本比呂志教授の共同研究で生まれた。人工知能(AI)などの技術が進化する中、高度なデータ圧縮のニーズは一層高まる。

山際社長は自社の圧縮技術を国内外に展開し、スマートフォンなどの身近な電子機器から産業用の大型機械への搭載を目指す。具体的には、IoT(モノのインターネット)装置を使った広範囲で迅速な災害対策の開発といった多岐にわたる分野に貢献できるとした上で「自社の技術を世界の標準にできれば」と意気込んだ。

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