2018年9月6日(木)

農研機構 クワの葉乳液で害虫防除 成長阻害タンパク質発見

クワの葉に含まれる乳液(農研機構提供)
クワの葉に含まれる乳液(農研機構提供)

農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構、つくば市)は、クワの葉の乳液に含まれるタンパク質に害虫から植物を守る機能があることを発見した。食べると害虫の消化管内の膜を異常に肥大させ、消化を妨げ、害虫の成長を止める。農研機構の研究チームは「新しい農薬や害虫防除製品への応用が期待される」と説明している。

発見したタンパク質「MLX56」は、クワの葉の乳液に含まれる。研究チームが、これを葉物野菜を食害するエリサンというガの幼虫に与えたところ、消化管内の薄膜を肥大し厚くさせた。MLX56に含まれるアラビアゴムのような部分が、膜の分子の間に入り込み、膨れて肥大するとみられる。濃度は0・01〜0・04%と低く済む。害虫は食べることができなくなり、成長できず死ぬという。

昆虫の成長を阻害するタンパク質は害虫防除の農薬などに利用されているが、種類は限られている。このうち農業で広く利用されているバクテリア由来の「Btタンパク質」は抵抗性を持つ害虫も出ており、新たなタンパク質の発見が求められてきた。農研機構が探していたところ、クワの葉を食べた害虫が成長できないことを見つけ、乳液中のMLX56を発見した。

クワの葉はカイコが食べるが、MLX56を吸収しても消化管の異常はなかった。一方、実験ではエリサンのほか、害虫のヨトウガ、ハスモンヨトウ、コナガでも成長阻害を確認した。

今野浩太郎上級研究員はMLX56について「人や家畜には安全性は高いと考えられる。いろんな害虫の成長を抑える効果が予想され、農薬などで防除に使える可能性がある」と期待している。(綿引正雄)

「MLX56」を与えたエリサンの消化管。内部の膜が肥大化している(農研機構提供)
「MLX56」を与えたエリサンの消化管。内部の膜が肥大化している(農研機構提供)


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