2018年9月20日(木)

増えぬ要配慮者住宅 空き家登録、茨城県ゼロ

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■県、申請料廃止へ

独り暮らしの高齢者や低所得者らの入居を拒まない賃貸住宅を増やそうと、国が昨年10月にスタートさせた空き家登録制度が低迷している。国土交通省は2020年度に全国で登録戸数17万5千戸を目標に掲げるが、開始約1年で約2%の3680戸にとどまり、本県を含む19県はいまだ登録ゼロ。同省はてこ入れを図るため7月に登録手続きを省略・簡素化し、県も登録申請料を廃止する条例改正案を9月定例県議会に上程している。

同制度は、高齢者や低所得者、子育て世帯、障害者、被災者ら「住宅確保要配慮者」の入居を拒まない民間の借家やマンション、アパートなどの賃貸住宅を都道府県に登録する仕組み。住宅セーフティネット法が改正され、昨年10月に導入された。

今後10年間で単身の高齢者が100万人増える見込みである一方、家賃滞納や孤独死などのリスクを警戒し、家主は空き家率が上昇しているにもかかわらず、要配慮者の入居を断る傾向が近年指摘されている。

新制度は、民間の空き家や空室の「ストック」を要配慮者に配分しようとの発想で考案。登録住宅の改修に対する補助や、入居者負担を軽減するための家賃補助などの誘導策を制度に盛り込んだ。ただ、これらの経済的支援は法律に明記されず、予算措置となったため、「インセンティブ(動機付け)が弱い」と指摘する有識者もいる。

国交省によると、全国の登録戸数3680戸(18日現在)のうち、大阪府が2701戸と大半を占め、次いで東京都214戸、岐阜県146戸と、大きく水をあけられている。茨城、栃木、長野など19県はいまだ登録ゼロ。大阪府は従来から同様の制度があることが登録の多い背景という。

県住宅課は登録が進まない理由について、「手続きの煩雑さと手数料、家主への制度内容の周知不足」と分析。登録申請書の記載事項を簡素化するとともに、付近見取り図や配置図、各階平面図、建物の登記事項証明書などの添付書類を不要とする国の規則改正を受け、登録申請料を廃止する方針を決めた。現行では、登録申請手数料が1戸につき5千円、登録変更手数料が1〜4戸追加で千円などと定められている。

同課は「高齢者や子育て世帯など、入居を受け付ける要配慮者の属性を家主が選択できることなど、知らない人も多い。必要以上に難しく捉えずに制度を活用してもらいたい」と話し、賃貸住宅業界にも積極的にPRを進める考えだ。(三次豪)



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