2018年10月7日(日)

東日本入国管理センター公開 必死の叫び 恐怖感

収容者「ここは刑務所」

収容者の居室で間取りなどを説明する東日本入国管理センターの職員=5月23日午前、牛久市久野町
収容者の居室で間取りなどを説明する東日本入国管理センターの職員=5月23日午前、牛久市久野町

国内から強制退去を命じられ、入管施設に長期収容される外国人の増加が問題視されている。長期収容のストレスから自殺者も相次ぐ中で、収容者の管理状況を知ってもらおうと、法務省は牛久市久野町にある東日本入国管理センターを報道機関に公開した。 (報道部・海老沢裕太郎)

■長期化問題
「私たちは難民だ。助けて!」「ここは刑務所だ。早く出してくれ!」

5月23日、どんよりとした曇り空の下、強制送還手続きの対象になっている外国人を一時的に収容している同センターを訪れた。4月には収容者のインド人男性が首をつって自殺するなど、長期収容問題の騒動の渦中にある。

早朝、牛久市へ向けて車を走らせる。森に囲まれた細い道を抜けると、目の前に同センターが現れた。車を降りると、肌寒さを感じ、隔離施設という特殊な建物のせいか入るとき、足がすくんだ。

同行した法務省の職員に最初に案内されたのは「第二面会室」。面会者同士を仕切るアクリル板などはなく、長テーブルとパイプいすのみが置かれた、非常に開放的な部屋だった。幼い子どもを持つ収容者などがここで面会し、数少ないわが子との触れ合いをかみ締めるという。仮放免を許されず、家族とまともに会えない収容者の気持ちは計り知れない。

■拒む強制送還
仮放免とは、収容者からの申請を受け、収容の長期化や体調の悪化などを理由に同センターが必要と判断した場合、保証金を払った上で一時的に拘束を解かれること。しかし、申請は却下されることが多く、収容の長期化が問題視されている。一方で、同センターによると、難民申請を繰り返し、強制送還を拒む収容者が大勢おり、決して同センターが長期収容を望んでいるわけではないという。

長い外廊下を抜け、収容者の居室がある収容棟へと足を運ぶ。既に収容者からの声が耳に届く。居室の前を通ると、「難民です。助けてください!」「ここは刑務所だ!」などと、格子格子に張り付く収容者の姿を目の当たりにし、恐怖を感じた。取材よりも居室が並ぶ廊下を早く立ち去ることで頭がいっぱいになり、無意識に早足になった。

その後、収容者が口にする給食や、使われていない居室を案内されたが、必死に訴え掛ける収容者の姿が頭から離れない。長期収容でたまった鬱憤(うっぷん)が降り掛かってくるようだった。
「手いっぱい」

同センターによると、現在の収容者数は約340人。定員は700人だが、約150人の職員や収容者の居住環境を考えると現在の収容者数が限界だという。ある職員からは「手いっぱいの状態で、正直手が回り切らないこともある」という声が聞こえた。

仮放免、さらには在留特別許可を得て日本の社会での生活を望む多くの収容者がいる。一方で、収容者を母国へ早急に送還したい同センター。両者の困難が垣間見える限り、入管の長期収容問題は続きそうだ。

★入管施設への収容
在留資格がなく、退去強制令書が出された外国人は東京、大阪などの地方入国管理局や東日本入国管理センター(牛久市)など全国17カ所の入管施設に収容される。被収容者数は8月末時点で1409人。収容長期化について法務省は「適正な手続きを経て強制退去が命じられているので、速やかに送還することで長期収容を終わらせたい」としている。

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