2018年10月12日(金)

電子マネー決済解禁へ 公共料金、茨城県が規制緩和提案

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電子マネーを使った自治体公共料金の支払いが、近く認められる方向となった。クレジットカードの利用は2006年の地方自治法改正で可能となっていたが、電子マネーは明文化されず「グレーゾーン」扱いで、行政機関のキャッシュレス化が立ち遅れていた。茨城県は6月、国へ規制緩和を提案。総務省は法改正をしなくても可能として、本年度中をめどに自治体へ解禁を周知する方針。県はキャッシュレス化に弾みがつけば、県民の利便性向上だけでなくインバウンド(訪日客)誘致にも好影響があるとみて期待している。


自治体施設の入場料や証明書の発行手数料、納税などは従来、現金支払いが原則だった。今回緩和されると、自治体は交通系のSuica(スイカ)や、流通系のWAON(ワオン)、nanaco(ナナコ)などの電子マネーを公金の収納に活用でき、住民にとっても支払い手段の選択肢が広がる。

電子マネー決済は東京都小平市など一部の自治体で既に導入され、県の自動車税支払いなどは現状でもナナコが使える。ただ、グレーゾーンを受け各自治体とも本格的な導入をためらっていたのが実情だった。

県行政経営課によると、県は6月、規制緩和を内閣府に提案。県内22市町と、北関東磐越5県知事会から栃木、群馬、新潟3県が賛同し、共同提案者に名を連ねた。総務省は今月3日、提案に対し「電子マネー決済事業者を指定代理納付者として指定すれば活用可能」と回答。関係省庁の折衝後、閣議決定などの手続きを経て、同省が規制緩和を通知する見通しとなった。

中国では電子決済サービス「アリペイ」が普及し、訪日客対策として民間ではアリペイ対応などの動きが進んでいるが、公営施設は立ち遅れている。例えば、国営ひたち海浜公園(ひたちなか市)では、入場料支払いや場内の売店で電子マネーやクレジットカードが使えず、県関係者は「中国などからの訪日客はスマホ決済が主流。紙幣だけでなく自販機を使うための小銭も必要で、不満の声が聞かれる」と漏らす。

一方で、自治体にとっても初期の導入費用と維持費(手数料)が課題となる。電子マネー決済は利用に応じポイントが付与されることが多く、現金払いとの公平性も考慮が必要となる。県には現在、キャッシュレス化を横断的に扱う組織がなく、具体的な検討はこれからだ。 (黒崎哲夫)

★電子マネー
金銭的な価値を持つ電子的なデータ。現金をやりとりせずに買い物などの支払いができる。お金をチャージ(入金)したカードなどを店頭の専用端末にかざして情報を読み取るのが主流で、クレジットカードのように精算時にサインする必要はない。「Suica」「WAON」「nanaco」のほか、「楽天Edy(エディ)」や「iD(アイディ)」がよく知られている。

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