2018年10月30日(火)

県近代美術館・ポーラ美術館コレクション (1)
ルノワール「レースの帽子の少女」 布や肌の質感巧みに

ピエール・オーギュスト・ルノワール(1841〜1919年)は、クロード・モネ(1840〜1926年)とともに印象派を代表する画家である。光の中で刻々と移ろいゆく風景の一瞬の表情を捉えようとしたモネに対し、ルノワールは人物画、特に女性像を得意とし、後年、肖像画家として成功を収めた。仕立屋の父とお針子の母の元で育ったルノワールは女性の衣服の流行に敏感で、しばしば最先端のファッションに身を包んだ女性像を描いている。
この作品は、1880年代、制作に行き詰まりを覚えて試行錯誤しながら硬い線描を重視した表現を経たルノワールが、90年代に入って新しい画風を確立しつつあった「真珠色の時代」と呼ばれる時期のものである。レースをふんだんにあしらったボリューム豊かな帽子をかぶった愛らしい少女の姿が、真珠のように穏やかに輝く白を多用した色使いと柔らかい筆致によって表現されている。布地や人肌の質感を巧みに表現し、少女の夢見るような表情を甘美な雰囲気とともに伝える本作品は、印象派をはじめマチスやピカソらのフランス近代絵画の名品を一堂に紹介する本展の中でも、ひときわ目を引く一点である。(県近代美術館主任学芸員・澤渡麻里)

ポーラ美術館コレクション展は水戸市千波町の県近代美術館で11月18日まで。月曜休館。同館(電)029(243)5111

【写真説明】
ピエール・オーギュスト・ルノワール「レースの帽子の少女」(1891年、ポーラ美術館蔵)



次の記事:常磐道あおり傷害事件 取手署に移送

全国・世界のニュース

2019 年
 8 月 19 日 (月)

メニュー
投稿・読者参加
サービス