2018年11月3日(土)

県近代美術館・ポーラ美術館コレクション (4)
ボナール「浴槽、ブルーのハーモニー」

色彩調和、詩的に表現

ピエール・ボナール「浴槽、ブルーのハーモニー」(1917年ごろ、ポーラ美術館蔵)
ピエール・ボナール「浴槽、ブルーのハーモニー」(1917年ごろ、ポーラ美術館蔵)

ポール・ゴーギャン(1848〜1903年)の影響の下に集った若い芸術家たちのグループ・ナビ派の一員として出発したピエール・ボナール(1867〜1947年)。親しみやすい日常の情景を取り上げて、人物画や室内画などを優れた色彩感覚と大胆な空間構成によって描き、アンティミスト(親密派)とも称される。その画業において重要な位置を占める裸婦像の多くは、彼の長年のパートナーで後に妻となるマルトを描いている。ボナールは、2人の出会いから彼女の死後に至るまで、約半世紀にわたって飽くことなくマルトを描き続けた。

この作品では、入浴中、体を洗うマルトの裸体と浴槽が俯瞰(ふかん)気味に捉えられているが、後景に向かっては床と平行する視点が取られている。前景では浴槽とたらい、マルトの背中から頭部、右腕にかけての曲線が、大小の円を描いて幾何学的なリズムを生み出しており、画面の大きな部分を占める床のタイルの模様とともに、画面に装飾的な効果を与えている。

右方から光が差す中、微妙に色調や階調の異なる青と、所々に配された黄色などの補色が繊細なハーモニーを奏でており、詩的な、そして親密な空間が現前している。(県近代美術館主任学芸員・澤渡麻里)

ポーラ美術館コレクション展は水戸市千波町の県近代美術館で18日まで。月曜休館。同館(電)029(243)5111



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