2018年11月6日(火)

ギャンブル依存症 前向きな言葉心掛けて 「家族教室」新たに開設 茨城

県精神保健福祉センター

主にセンターの相談員が講師となり、さまざまなテーマで家族向けに勉強会が開催される=水戸市笠原町
主にセンターの相談員が講師となり、さまざまなテーマで家族向けに勉強会が開催される=水戸市笠原町

パチンコやパチスロなどのギャンブルをやめたくてもやめられない「ギャンブル依存症」。全国で約70万人と推計される(厚生労働省2017年調査)ほか、県内でも相談件数が増加傾向にあることから、県精神保健福祉センター(水戸市)は7月から「依存症家族教室」を新たに開設した。同センターでは「ギャンブル依存症は、性格や意志の弱さではなく病気だ」とした上で、「家族が理解を深めることが回復への近道」と呼び掛けている。

ギャンブル依存症は精神疾患の一つ。パチンコやパチスロをすることで脳内に快楽物質のドーパミンが放出され、興奮や不安が和らいだりするが、楽しむにとどまらず、仕事や家族よりもギャンブルを優先し、生活に支障が出る。

同センターで受け付けた電話相談は13年が3件だったのに対し、16年は22件、17年は48件に増加。面接も増加傾向にある。

相談員の高松直樹さん(37)によると、「借金が判明したことを契機に、ギャンブル依存症だと分かる」のが多く、借金総額が2千万円以上を超える相談者もいるという。不安への対処法が苦手な人、真面目な人がなりやすいといい、「依存先をギャンブルから人(仲間)に頼るよう」助言しているそうだ。

同教室は7月にスタートし、先月22日には3回目の家族教室を開催し、ギャンブル依存症の息子や夫を持つ家族9人が参加した。

山梨県にあるギャンブル依存症回復施設に息子(34)が入所しているという取手市の女性(67)は「(ギャンブル依存症)は、家族を巻き込む病気。育て方が悪かったのではと思い自分を責め、うつ状態になったこともあった」と打ち明ける。別の女性は、「特効薬はないが、家族が変わることで本人も変わる」と近況報告した。

この日は、相談員の高松さんと小野寺岬さん(27)が講師。テーマは「コミュニケーションを変えてみよう」。小野寺さんは、依存症家族によくある例を挙げ、本人は自覚はないが、家族は心配で叱責するなど負の連鎖があることを指摘。「まずはI(私)を主語にして、コミュニケーションを取ろう。『(私)はあなたに治療を受けてほしいと思っている』など、ポジティブな言葉を心掛けてほしい」と呼び掛けた。高松さんは「治らないけれど回復はできる。伝わり方を変えると、結果が変わる」などと力を込めた。

◇ ◇

依存症家族教室は毎月第4月曜午後1時30分〜3時。▽11月26日「GA(本人の自助グループ)からのメッセージ」▽1月28日「暴力への対応」▽2月25日「ギャマノンからのメッセージ」▽3月25日「家族自身の健康のために」。問い合わせは県精神保健福祉センター(電)029(243)2870
(鈴木聡美)

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