2018年11月6日(火)

「きものday結城」10年 伝統の装い、街歩き 10、11日開催

文化発信、新たな広がり

着物姿で街歩きを楽しむ参加者たち=2017年11月11日、結城市結城
着物姿で街歩きを楽しむ参加者たち=2017年11月11日、結城市結城

結城市の伝統的な街並みを着物で散策するイベント「きものday結城」(市観光協会主催)が今年で10年を迎える。北部市街地を会場に、観光ガイドによる街なか散策や「和」をテーマにしたワークショップなどが企画され、“着物の似合う街”を存分にアピールする。着物愛好者らを中心に定着し、リピーターも多い。イベントを契機に着付けを担うボランティアの育成や着付け体験ができる拠点の常設など、まちづくりに新たな広がりも見せている。

■愛好者に人気

北部市街地は見世蔵や酒蔵、寺社などが点在する。開催中は、結城紬(つむぎ)をはじめとした着物姿の参加者が街を行き交う。住民がお茶でもてなしたり、普段は開放していない店舗が開いたり、人力車も駆け抜けたりして街全体が盛り上がる。

イベントは2009年、前身の「きものを着て結城の街並み散策事業」が始まりで、国の交付金を活用して開かれた。翌年から「きものday結城」として回を重ねた。同市の貴重な地域資源である結城紬を核に、着物を着る機会を提供し、着物文化と結城の魅力を発信するのが目的だ。

誰でも参加できるが、着物で訪れると特典が多い。普段出回らない結城紬を安値で販売する「蔵ざらい市」なども同時開催され、愛好者を中心に人気を集める。結城紬の反物などが当たる恒例の抽選会も盛況だ。

■着付けを支援

最初の09年は2日間で200人の限定開催。翌年以降、参加自由となり、2日間の来場者は15年に約2300人となり、17年に約4500人を数えた。

人気の定番企画は結城紬の着物レンタルだ。先着60人だが受け付け開始から応募が殺到し、毎年キャンセル待ちが出る。市商工観光課は「リピーターが多く、毎年楽しみにしていただいている。1人で参加する方も少なくない」と歓迎する。

イベントを支えるのが、着付け支援のボランティアたちだ。事前予約制で、着物を持ち込めば着付けしてくれる。初回から関わる花田啓子さん(69)は「これだけ結城紬がそろうイベントはない。開催には着付けボランティアの充実は欠かせず、勉強会と経験を重ね、技術は向上している」と話す。

■地域活性化へ

イベントの定着に伴い結城紬を核としたまちづくりが広がりを見せている。

15年に着付けボランティアが団体「ゆうき着楽(きらく)会」を立ち上げた。会員は現在40人。県内外に積極的に出向き、着付けを通じて結城紬をアピールしている。稲葉里子会長(77)は「活動はあくまでまちづくり。結城に来てもらう種をまいている。その上で『きものday結城』の存在は大きい」と力を込める。

さらに同年、JR結城駅前に「ゆうき紬着付け処 着楽」がオープン。同市と着楽会が連携して運営する施設で、土日に予約なしで結城紬を着て街歩きが楽しめる。

10年を迎え、今後は市内観光へのさらなる波及が課題となる。同課は「結城紬だけでなく、物産や寺社巡りなど市内の観光に結び付け、地域活性につなげていきたい」としている。

「きものday結城」は10、11日の両日、同市北部市街地で開かれる。10周年を記念し、参加者が自慢の着物姿を披露するファッションショーも開かれる。(平野有紀)

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