2018年11月16日(金)

中村宝水の足跡たどる 筑西に資料館開設 「関城跡」重文指定に尽力

中村宝水が保管していた資料を示す、中村勝美さん(左から3人目)。手前に置かれているのは、富松正安が獄中で作った漢詩を書いた玉水嘉一直筆の書=筑西市関舘の中村宝水資料館
中村宝水が保管していた資料を示す、中村勝美さん(左から3人目)。手前に置かれているのは、富松正安が獄中で作った漢詩を書いた玉水嘉一直筆の書=筑西市関舘の中村宝水資料館

南北朝時代の古戦場として知られる筑西市関舘、史跡「関城跡」の国重要文化財指定に尽力した郷土史家、中村宝水(ほうすい)(1878〜1954年)の資料を展示する中村宝水資料館が11日、同所に開設した。宝水による関城跡の研究や交流のあった自由民権運動家、関連の書画類など資料約100点が、同館約30平方メートルに展示されている。

遺族の中村勝美さん(68)が同家で保管してきた資料を公開しようと、自宅敷地内に私費約800万円を投じて建設。公開初日から多くの郷土史ファンが訪れた。勝美さんは「関舘に歴史好きな人が来てもらえるような活動をしたい」と抱負を述べた。

宝水は、小説「土」を書いた作家の長塚節と小学校時代の同級生で、都内の二松学舎で漢学を学んだ後、東洋大で井上円了の指導を受け東洋学を学んだ。帰郷後、後醍醐天皇(ごだいごてんのう)の南朝側に属し関城で戦った関宗祐や北畠親房について研究を深め、史跡保存と国指定のために奔走した。また自由民権運動の激化事件「加波山事件」で蜂起した一人の玉水嘉一の血縁でもあり、明治から昭和初期までの歴史家や政治家、活動家らと幅広く交際した。

展示されるほとんどの資料が初公開。主な見どころは、戦前に中村家と関城跡を訪問した近衛文麿首相、政治家の風見章(常総市)、アジア主義者の頭山満などの書や写真類▽南朝関連の書画類▽長塚節、加波山事件に関係した国会議員の小久保喜七(古河市)、歴史家の平泉澄、森正隆知事らの書簡▽玉水嘉一らの自由民権運動の関連資料▽二宮尊?の研究資料-など。展示物は資料のごく一部で、保管される書籍は約1500冊に上るという。

勝美さんは「歴史の解釈には時代の制約があるかもしれないが、資料の価値はそこにとどまらない。多くの人に見てほしいし、研究者にも広く関心を持ってもらえれば」と話した。

同館は関城跡の北西約200メートルにある。問い合わせは勝美さん(電)090(3523)0143。(冨岡良一)

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