2018年11月17日(土)

手術支援ロボット「ダヴィンチ」 5病院に導入拡大

保険適用増、追い風

ダヴィンチによる手術の様子(水戸赤十字病院提供)
ダヴィンチによる手術の様子(水戸赤十字病院提供)

手術支援ロボット「ダヴィンチ」の導入が県内病院で広がっている。日立製作所日立総合病院が2011年に初めて導入し、現在は5病院に拡大。最先端の技術により患者の体に負担が少なく手術が実施できるためだが、導入にかかるコスト面に課題が残る。一方で、4月からダヴィンチによる手術の保険適用範囲が前立腺がんと腎がんに加え、胃がんや肺がんなど一気に12件で承認されたことで、5病院でも活用分野が増えており、今後の普及に拍車が掛かるか注目される。

(報道部・成田愛)

■遠隔操作

ダヴィンチは、医師がモニターに映し出された患部の画像を見ながら、鉗子(かんし)を取り付けたアームを遠隔操作して手術を行う装置。開腹手術と比べ患者の出血量が少なく、アームの可動域が人間の手首以上に広いなど利点は多い。一方で、操作する医師は患者に触れる感覚がないため、高い技術力が求められることからダヴィンチ操作の認定資格を持つ医師を中心とした専門のチームが手術を担う。

県医療政策課によると、県内では11年の日立製作所日立総合病院を皮切りに、13年に県立中央病院と水戸赤十字病院、14年に筑波大付属病院、16年に国立病院機構水戸医療センターが導入し、計5病院に拡大している。

■新たに12件承認

前立腺がんと腎がんだけだった健康保険の適用範囲が4月、胃がん、肺がん、子宮体がんなど新たに12件で承認され、各病院でダヴィンチの活用分野が徐々に広がっている。

17年度の県内5病院の手術実績は、少なくとも計425件に上った。内訳は前立腺がんが344件と約8割を占め、腎がんは59件だった。

今年4月から10月末現在までの実績を5病院に照会した結果、手術件数は少なくとも計205件。内訳は前立腺がんが約7割を占めたが、4病院が肺がんや子宮体がんなど、新たに保険適用が承認された分野でダヴィンチを活用していた。

肺がんの手術を8月に実施した県立中央病院呼吸器外科の鈴木久史部長(鏡視下手術担当)は、「正確な操作が求められるが、太い血管がある肺は細かい処理ができるロボット手術は有用と感じた」と話す。

■コスト面に課題

若手医師確保の呼び水としても注目が集まる。前立腺がんなどに加え、子宮の腫瘍に対するダヴィンチ手術に乗り出した水戸赤十字病院の満川元一院長は、「ダヴィンチ手術をじかに学べることは若手医師にとって魅力」と指摘。県内で開業・勤務する産婦人科医は217人(16年12月末現在)で、人口10万人当たり全国ワースト7位と少なく、医師も高齢化の進展で若手の確保が急務だ。満川院長は「最新の技術を学べる体制を整えたい」と話す。

一方で課題はコスト面。ダヴィンチの本体価格はおよそ3億円。導入後も端子の交換代や保守点検などに費用がかかる。医療関係者は「ある程度規模の大きな病院でないと、維持が厳しい」と明かした。



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