2018年12月15日(土)

超軽量機事故 7割無許可・範囲外飛行 18年、茨城県内2件発生

法令順守が重要

墜落した超軽量飛行機を調べる水戸署員ら=7月14日、水戸市元石川町
墜落した超軽量飛行機を調べる水戸署員ら=7月14日、水戸市元石川町

超軽量飛行機の事故が相次いでいる。国内で今年発生した4件のうち半数の2件が茨城県内で、7月に水戸市、11月に行方市に墜落し計3人が死傷。行方市で起きた事故は飛行許可の範囲を大きく外れて飛んだとして、国土交通省は運航した愛好家団体に厳重注意した。特別な操縦免許が不要で気軽に楽しめる一方、事故や重大インシデントの約7割が無許可・範囲外の飛行で、法令順守が求められている。

■過去にも

超軽量飛行機(ジャイロプレーンを含む)の事故が後を絶たない。県内では7月、水戸市元石川町の宅地造成中の土地に墜落し、操縦の70代男性が頸部(けいぶ)損傷で死亡。11月は行方市次木の雑木林に墜落し、操縦の60代男性と同乗の70代男性の2人が軽傷を負った。

死亡事故は過去にも発生している。2015年8月、つくば市神郡のゴルフ場に墜落し、いずれも当時50代の操縦の男性と同乗の男性の2人が亡くなった。09年には五霞町で、10年には筑西市で墜落し、計3人が死亡した。

国交省運輸安全委員会の統計によると、超軽量飛行機の事故や重大インシデントは1999年から今年(12月14日現在)までの20年間に全国で74件発生。毎年1〜7件で推移している。

■団体に厳重注意

行方市の事故で国交省東京航空局は4日、水戸市内の離着陸場から半径3キロ以内の許可範囲を大きく外れて飛んだとして、運航した愛好家団体に厳重注意。墜落場所は離着陸場から約20キロ離れ、同局によると、この団体は範囲を超える飛行が常態化していた。

3年前のつくば市での事故は必要な許可を取得せず飛行。県警は航空法違反などの疑いで、操縦の男性を容疑者死亡のまま書類送検=不起訴=した。五霞町での事故も許可がそろっていなかったとされる。

飛行には特別な操縦免許は必要ないが、航空法に基づき、(1)航空機(2)操縦(3)離着陸場-に関係する許可が必要(いずれも許可期間は最大1年)。国交省航空局資料によると、99年以降に全国で発生した超軽量飛行機の事故や重大インシデントは、68%の50件が無許可・範囲外の飛行だった。

■安全運航を喚起

愛好者約500人が加盟する日本マイクロライト航空連盟(東京都港区)は、超軽量飛行機の魅力を「空への憧れを持っている人たちが手軽に楽しめる」と説明。無許可飛行の横行については「規制の強化など、ルールをしっかり守っている愛好者にしわ寄せが来る」と危惧する。

国交省航空局はスカイスポーツの統括団体・日本航空協会を通じ、全国の愛好者に向けて許可取得や安全運航を注意喚起するなど、事故防止への取り組みを実施。「法令を順守し、安全意識を持っていただきたい」と呼び掛けている。(今井俊太郎)

★超軽量飛行機
エンジンが付いた1〜2人乗りの簡易構造の飛行機。条件は2人乗りの機体自重が225キロ以下、翼面積が10平方メートル以下、最大水平速度が時速185キロ以下など。一般の航空機で必要な操縦免許は不要だが、操縦関係の許可申請で、適切な技量を指導者が証明する書類、健康診断書などが求められる。



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