2018年12月27日(木)

帰ってきたソフトめん 水戸市学校給食、3年ぶり復活

約3年ぶりのソフトめん復活を喜ぶ児童たち=水戸市千波町
約3年ぶりのソフトめん復活を喜ぶ児童たち=水戸市千波町

■少子化、米飯拡大、メーカー減少… 供給継続ハードな道程

製造業者の廃業により、2016年4月に水戸市の学校給食から姿を消していた定番メニュー「ソフトめん」が12月から復活した。わずか年1回の提供だが、児童らは「懐かしい味」と喜びの声を上げた。ただ、少子化による需要の減少傾向は続き、メーカーにとって経営の先行きは見通せない。今後も、茨城県内における将来的な供給体制の維持は不透明なままだ。

■待望の日

「めっちゃ懐かしい」「また食べられるとは思わなかった」-。同市千波町の市立千波小で18日、献立にソフトめんが約3年ぶりに登場し、6年生の教室では提供再開を喜ぶ声が響いた。

この日のメニューはソフトめんのほか、けんちん汁、大学いも、おひたし、牛乳の5品目。同校では、学年だよりにも「再開」の記事が載る待望ぶり。6年の福士航埜君は「久しぶりだったので、よく味わって食べた。週に1回ぐらい出てほしい」と期待を込めた。

同市では1965年からソフトめんを献立に取り入れてきた。しかし、製造を担ってきた茨城ソフトメン(ひたちなか市)が廃業。同市に加え、ひたちなか、常陸太田、大洗の4市町全域と鉾田、常陸大宮両市の一部の学校給食で提供停止に追い込まれた。

■交通整理

水戸市は他のメーカーから提供を受けられるよう、県学校給食会に要望を続けてきた。同市では小中学校合わせ計約2万2千食分の量が必要となることから、1日当たりの数量を減らすため、提供する地区を細分化。また、ほかの自治体と提供する日程の調整を重ねるなどの「交通整理」(同会)を重ねてきた。

これにより、笠間市や城里町などの学校に供給している笠間ソフトメン橋本屋(笠間市)から、各小中校へ年1回の提供が実現。水戸市立学校給食共同調理場栄養士の大澤ゆみ子さんは「献立の多様化は食育の観点からも大切」と再開を喜ぶ。

このほか、常陸太田市や鉾田市、大洗町も、近隣メーカーの協力で提供再開を果たした。12月現在、茨城ソフトメンの廃業により提供停止が続いている自治体は、ひたちなか市全域と常陸大宮市の一部を残すのみとなり、次第に復活を果たしつつある。

■危機感も

ソフトめんはスパゲティやうどんなどと同様、原料が小麦粉の麺。児童が食べやすいよう、食感を軟らかく滑らかにしたのが特徴。県内では長く学校給食の主食として定着してきた。

しかし、米飯給食の拡大でソフトめんの提供回数が減少。少子化による児童数の減少も売り上げに直結し、メーカー側の経営環境は厳しさを増している。約30年前には県内で15社あったメーカーは現在9社まで減るなど、将来的な生産体制の継続は見通せていない。

県学校給食麺組合の渡辺浩司会長は「米飯の回数が増えた半面、子どもの数は減っており、業界は厳しい状況にある。値上げなどの対策を講じないと現状維持は困難で、今後も廃業する業者が出る恐れもある」と危機感を募らせている。(前島智仁)



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