2019年1月6日(日)

神栖の支援団体、河野代表 社会的少数派理解を LGBT切り口に講演、周知

教育現場において、性的少数派への理解を訴え講演する河野陽介さん=阿見町青宿の霞ケ浦高校
教育現場において、性的少数派への理解を訴え講演する河野陽介さん=阿見町青宿の霞ケ浦高校

LGBTなど性的マイノリティーへの理解を深めてもらおうと、支援団体「多様な性を考える会 にじいろ神栖」(神栖市)が一般への講演や周知に力を入れている。関心は県内でも少しずつ広まっているものの、まだ道半ば。代表の河野陽介さん(32)は「LGBTについて知ろうとすることは、社会の中のさまざまな少数派への理解につながるのでは」と訴えている。

同会は、県内を中心に当事者の交流を支援。河野さんはゲイを公表しているが、父の病死や貧困も経験し、学業も自らの性についても理想と現実のはざまで苦しんできた。さまざまな経験から、2015年4月に団体を設立し、同じ境遇の人たちを支援しようと活動を始めた。活動当初は全く想定していなかった教育現場からの依頼が増え、近年は学校で教師や保護者向けの講演や研修も行っている。

18年は私立高校25校の生徒指導担当者への研修をはじめ、高校、大学、看護学校、特別支援学校などでの講演も精力的にこなした。

河野さんは「人を見かけで判断していないか」という問題提起で口火を切る。子どもの頃から音楽が好きだった。セーラームーンが好きだった。周囲からからかわれたりした経験も多く「自分の好きなものややりたいことを否定されなかったら、もっと早く人生を楽しく豊かに過ごせていたかも」と指摘。「限られた知識や経験、臆測だけで人や物事を判断すると、誰かを傷つけることがある」と注意を促す。

性の在り方は成長段階や出会い、体験・経験、環境などによって変化したり移行したりすることもある。このため河野さんは子どもたちに向き合う考え方として、問題が起きたり助けを求めたりされた際に適切に障壁を取り除いていく「合理的な配慮」や「高度な個別対応」を求めている。

河野さんが理解を訴えるのは、LGBTだけではない。社会にあるさまざまな少数派への優しいまなざしだ。貧困、身体・知的・精神障害や発達障害、DV(家庭内暴力)や虐待、いじめ、性暴力の被害、依存症、難病、人種など。「世の中には本当にいろんな人がいるという視点を持つこと。LGBTを切り口に人権の本質に迫る話をしていきたい」と強調する。

昨年12月、保護者会で河野さんの講義を受けた霞ケ浦高校(阿見町)では「親が一番の理解者、味方でいられるようにしたい」(保護者)、「発達段階の生徒の性の在り方を否定せず受け入れ、理解していくことが先決。教師も研さんを深めていきたい」(教頭)と感想があり、学校と保護者が共通認識を持ちたいとした。

河野さんは「まずは知らないことを知ろうとすることが大切。それが、明日からの言動の変化につながるのでは」と願いを込めた。(綿引正雄)



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