2019年1月9日(水)

結城蔵美館「御手杵の槍」 根強い人気 再訪者も

「刀剣女子」続々記念催し検討 地域活性化へ期待

結城蔵美館で常設展示されている「御手杵の槍」レプリカ=結城市結城
結城蔵美館で常設展示されている「御手杵の槍」レプリカ=結城市結城

結城市結城の結城蔵美館で展示されている、天下三名槍の一つ「御手杵(おてぎね)の槍(やり)」のレプリカが、根強い人気を集めている。オンラインゲームをきっかけに見学者が急増。ピークは過ぎたものの、今も全国からファンが訪れ、リピーターも多い。同館は5月の開館5周年に向け、御手杵の槍を主軸としたイベント開催を検討中。市内の飲食店などには関連商品もあり、「刀剣女子」との相乗効果で、観光振興や地域活性化に期待を寄せる。

■熱い思い

「広島から来ました!」「鹿児島と札幌から参りました」「3回目です。また来られてよかった」「念願かない見に来ることができました」-。

同館2階の展示場に置かれたノートには、見学者の熱い思いがつづられている。2015年4月から、5冊を数えた。見学者の多くがオンラインゲーム「刀剣乱舞(とうけんらんぶ)」のファン。9割以上が20〜30代の女性だ。15年1月に始まったゲームはアニメやミュージカルになり、今や圧倒的な人気を誇る。御手杵の槍は擬人化した美男子キャラクターの一人として登場する。

同館スタッフ、高城昌光さん(62)は「みんな真面目でいい子ばかり。何度も結城に来てくれてありがたい」と話す。1階にはファンが置いていったキーホルダーなどのグッズも飾られ、にぎやかだ。

■パフェやお守り

15年5月の開館1周年イベントには、御手杵の槍に触れて記念撮影できる企画が好評で、1日で約3千人が訪れた。

今も見学者は途切れることはない。徳島県美馬市、会社員の30代女性は約2年間で10回以上、結城市を訪れた。「やりの魅力は大きいところ。ゲームをきっかけに結城を知ったが、街の雰囲気も好き」と話す。

市内は、関連商品も販売され、ファンの定番コースになっている。カフェ「甘味茶蔵 真盛堂」は「御手杵パフェ」を提供。大きなやりを思わせる高さ約30センチのパフェで、同店は「ファンの期待にこれからも応えたい」と話す。

健田須賀神社には、御手杵の槍が描かれたお守りや御朱印帳がある。小貫隆嗣宮司は「奄美大島から北海道、さらには台湾やタイなどさまざまな場所から来ていただいている。ふとした会話から交流が続いている人もいる」と話す。

■良さを再確認

結城市、会社員、高橋和子さん(35)もゲームに加え、御手杵の槍の熱烈なファン。「やりを眺めながら、歴史に思いを巡らせることが楽しい。できることならずっと眺めていたい」。ゲームをきっかけに、同館を定期的に訪れる。「今まで結城で暮らしていたけれど、初めて知ることばかり。結城の良さを再確認できた」と力を込める。

同館は、5月に開館5周年を迎える。同市にはファンからの要望も寄せられており、同館主管の商工観光課だけでなく、他部署の若手職員からも意見を募り、御手杵の槍を主軸にしたイベントを模索中だ。

「刀剣乱舞」は、昨年末の紅白歌合戦にも登場。実写映画化も控えており、今後も盛り上がりを見せそう。同課は「多くの人に結城を知ってもらい、観光振興につながるといい」と話している。(平野有紀)

★御手杵の槍(おてぎねのやり)
結城家第17代・晴朝(はるとも)の愛槍。長さは約1・5メートル、柄を合わせると約4・2メートル。きねの形をしたさやの装飾から命名され、黒田藩主・黒田家に伝わる「日本号」、徳川家康の側近・本多忠勝の「蜻蛉切(とんぼきり)」とともに、天下三名槍と呼ばれる。槍は家康の次男・結城秀康から上州松平家へ代々受け継がれたが、東京大空襲で焼失。2002年に静岡県島田市の市民有志が復元し、03年に結城市に寄贈した。

ファンの思いがつづられた感想ノート
ファンの思いがつづられた感想ノート

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