2019年1月10日(木)

教頭開発、勤務記録システム 「きんむくん」茨城県内導入拡大 バーコードで手軽、正確に

意識改革、効率化図る

田村俊之教頭(左)が開発した勤務時間記録システムを使い、退勤を記録する教職員=古河市小堤の総和北中
田村俊之教頭(左)が開発した勤務時間記録システムを使い、退勤を記録する教職員=古河市小堤の総和北中

現役の中学校教頭がバーコードで勤務時間を記録できるシステムを独自に開発し、県内の小中学校で採用が広がっている。時間外勤務を含む在校時間を教員自ら手軽に記録でき、正確な勤務時間を月間でも集計できると好評で、すでに15市町の計91校が導入した。教員の勤務実態はこれまで、個人も管理職側も正確に把握できていなかったとされ、関係者は「教員の意識改革や業務の効率化につながる」と、現場を熟知する同僚が開発したシステムに太鼓判を押している。

開発したのは古河市立総和北中教頭の田村俊之さん(55)。長時間残業をした労働者に医師の心身チェックを義務付けた労働安全衛生法改正を機に、技術科教諭だった2008年、「全ての教職員が効率的に使える」をコンセプトに開発した。

職員室に設置した1台のパソコン前で、退勤する教職員がバーコード表に読み取り機をかざすと、モニター画面に表示された名前の欄が出勤を示す緑色から退勤の赤色へと瞬時に変化。バーコード表は2種類を用意し、休日に部活動などで出勤した日も記録できるよう改良を加えた。

システム名は「きんむくん」。勤務時間の月間累計は自動計算、書式化され、資料として印刷することも可能。パソコンにインストールでき、市販の機材で使えるのも大きな特長だ。

14年度、教頭として赴任した牛久市立牛久二小で本格的に導入し、17年に県教委の「教職員アイディアオリンピック」で優秀賞に輝いた。当時の教育事務所幹部や学校関係者の間で評判を呼び、田村さんがソフトを無償配布していることから、県西や県南地域を中心に普及し始めた。

田村さんによると、昨年10月時点で、古河市と筑西市の全校が導入。水戸、土浦、笠間、石岡、龍ケ崎、桜川、下妻、坂東、常総、小美玉、茨城、阿見、五霞の13市町でも一部の学校が利用し、その後も導入が進んでいるという。

総和北中の青木寛弥教諭(27)は「出勤時には前日の超過時間も表示される。早めの退勤や体調管理を心掛けるようになった」、教務主任の戸崎純枝教諭(48)は「手軽で正確。在校時間が長いと警告メッセージも表示され、自分の働き方を考えるきっかけにもなった」と話す。

古河市教委は今月から同システムを活用し、教職員の勤務記録を各校に提出してもらい、長時間勤務の要因分析を始めた。

市教委の島村光昭副参事は「これまではタイムカードの記録を表計算ソフトに打ち直していたため、作業に手間がかかり、入力時間が不正確なこともあった」と指摘。早ければ本年度中に要因を特定し、不要な会議をやめるなど業務の効率化に取り組む方針だ。

田村さんは「勤務実態を正確に把握し、しっかり検証することが、学校現場の働き方改革を進める足掛かりになる」と話し、自身が手掛けたシステムの利用拡大に期待を込めた。(溝口正則)



次の記事:京都アニメ会社放火 容疑者集合住宅、異様な室内 

全国・世界のニュース

2019 年
 7 月 22 日 (月)

メニュー
投稿・読者参加
サービス