2019年1月10日(木)

つくばの研究者・真木さん 74歳、病と付き合い踏破 百名山・百高山

人生後半戦へ花

地図を広げ百名山、百高山の思い出を語る真木太一さん=つくば市梅園
地図を広げ百名山、百高山の思い出を語る真木太一さん=つくば市梅園

心臓に障害があるつくば市の男性が、74歳で「日本百名山」と「日本百高山」を踏破した。約10種類の薬を服用しているが、スローペースで心臓に負担をかけないよう登り続けた。男性は「障害があっても登り切れたことは喜び」と偉業を成し遂げ、人生の“後半戦”へ花を添えた。

男性はつくば市梅園の研究者、真木太一さん。2016年9月に、作家の深田久弥が選んだ日本百名山を踏破。18年9月には国土地理院が選ぶ標高の高い順の日本百高山も全て登った。50高山のほか、品格と歴史、個性を備えた標高1500メートル以上の50の山々も自ら選んで登った。

真木さんは1944年、愛媛県生まれ。農業環境技術研究所(つくば市)や筑波大の研究員、九州大教授などを歴任した。69〜71年に第1次南極越冬隊員も経験。九州大名誉教授も務める。専門は農業気象学。

登山への目覚めは高校2年の夏。出身地の四国にある百名山、石鎚(いしづち)山に登ったのが第一歩。山頂に立った爽快感が忘れられず山に引かれた。大学進学後、就職後は忙しさの中、40年かけて百名山、百高山の3割を登った。本格的に登山にのめり込んだのは、大学教授を退官した70歳からだ。

しかし真木さんは「自他共に認める“病気のデパート”」で、病と付き合う人生を送る。動脈硬化を防ぐため冠動脈に金属の筒を入れるステント治療を受け、心臓の手術を重ねた。5年前の冬に2回手術を受け、28日間入院。障害者手帳3級を持つ。体力がなくなったが、登山家の三浦雄一郎さんが80歳でエベレスト登山を果たしたことを知り、「気力をもらった。自分もやってやろうと思った」。まず春に筑波山で山の気分を味わい、6月に娘と尾瀬を歩いたのを機に、高い山にも登り、「自信が持て、後は次々とこなした」と振り返る。

昨年、南アルプスの北岳に登った際、けがをして出血。血液が固まらない薬を飲んでいるため血が止まらず、山岳救助隊に助けられた。肝を冷やし一時は登山をやめようと思ったが、「あと少し頑張ろう」と思い直した。

気象が専門ということもあり、山では風や雲の動きを見るのが好きだ。南アルプスの農鳥岳(3026メートル)では尾根で霧が湧き立つ風景を見て感動したことを思い出す。年を取っても、障害があっても歩き続け、50年越しの目標を達成した真木さん。登山の楽しみ、爽快感を伝える本の出版を予定する。「山は生きがいだった。目標を達成して気が抜けたが、今後もゆっくり登り続けたい」と次の目標を見据え、優しい笑顔を見せた。(綿引正雄)

2018年7月、間ノ岳に登頂した真木さん(本人提供)
2018年7月、間ノ岳に登頂した真木さん(本人提供)

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