2019年1月11日(金)

ドクターヘリ、局面新た 防災ヘリに医師、看護師 補完運用、7月開始

飛行訓練で防災ヘリに乗り込む医師ら=土浦市おおつ野の土浦協同病院
飛行訓練で防災ヘリに乗り込む医師ら=土浦市おおつ野の土浦協同病院

医師や看護師を乗せて現場に急行し救急医療を行うドクターヘリが、新たな局面を迎えている。2017年度の出動要請件数は1147件に上り、10年度に運航を開始して以来過去最多を記録した。一方で、タイミングが悪く要請が重複し、1機体制では出動できないケースも増加。県はこうした事態を打開しようと、防災ヘリに医師や看護師を乗せて救急現場に向かう補完運用を7月に開始する予定で、飛行訓練を重ねるなど準備を進めている。

■重複要請156件

ドクターヘリは救命用の医療機器を装備し、医師と看護師を乗せて現場に急行する専用のヘリコプター。県内なら30分以内で現場に到着することができる。病院搬送を待たず、医師らが現場で速やかに処置や診療を行うため、脳卒中など一刻を争う疾患でも救命できる確率が上がる。

県は10年7月に水戸済生会総合病院(水戸市)と水戸医療センター(茨城町)の2カ所を拠点に、ドクターヘリ1機の運航を開始した。出動要請件数は年々増加し、10年度の362件から17年度は約3倍の1147件に達した。

しかし、要請件数の増加に伴い、重複して出動できないケースも右肩上がりで増えている。県医療政策課によると、重複要請は10年度20件だったが、17年度は156件に上った。

同課は「連携している他県に出動を要請して解消できる場合もあるが、他県も手いっぱいで、やむを得ず出動できないことが多い」と話す。

■準備加速へ

県は重複要請の解消を目指し、7月から防災ヘリをドクターヘリとして補完運用に乗り出す。つくばヘリポート(つくば市上境)に待機し、出動要請があれば土浦協同病院、筑波メディカルセンター病院、筑波大付属病院のいずれかに立ち寄り、医師らを乗せて現場に向かう。

昨年12月、土浦協同病院で防災ヘリによる医師、看護師を乗せた飛行訓練が行われた。病院のヘリポートに防災ヘリが着陸すると、待機していた医師と看護師が乗り込み、実際に約15分間、周辺を飛行した。医師らはドクターヘリとの設備の違いを確かめたり、ヘリに備え付けられた無線機の操作方法を県防災航空隊の隊員から教わったりした。

訓練に参加した同病院救急集中治療科の荒木祐一科長(45)は「病院からヘリに持ち込む器具や必要な物品を防災航空隊や県側と調整し、運航開始に備えたい」と話した。

県は今後も傷病者の搬送を想定した飛行訓練を3病院と重ねるほか、2月に県と3病院で協定を締結し、補完運用に向けて準備を加速させる。(成田愛)



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