2019年1月29日(火)

竹蓋さん、水戸で個展 伝統的街並み 切り絵に

西ノ内和紙と古布で風合い 真壁地区や水戸の名所

「作品を見終わって、ほっとしてもらえたらうれしい」と話す竹蓋年男さん=水戸市備前町の常陽史料館
「作品を見終わって、ほっとしてもらえたらうれしい」と話す竹蓋年男さん=水戸市備前町の常陽史料館

繊細な描線を切り抜いて生まれる、黒と白のコントラストが味わい深い「切り絵」。日立市出身の切り絵作家の竹蓋(たけふた)年男さん(58)の企画展「切り絵 竹蓋年男展」が、水戸市備前町の常陽史料館で開催されている。伝統的な街並みをテーマに、モノクロから彩り豊かな切り絵まで、情緒にあふれた世界が広がっている。会期は3月24日まで。

竹蓋さんの本業は学習塾の講師。2003年から桜川市真壁地区に赴任。街中に立ち並ぶ歴史ある登録文化財に魅了され、趣味でスケッチしたり写真を撮ったりしていた。

「真壁地区は、ひな祭り祭り以外は人通りが寂しい。そこに住む人の息遣いや温かさを表現したい」。07年、スケッチや写真を元に、真壁の国登録有形文化財をモチーフに独学で切り絵を始めた。「団体に所属しなかったのがよかった。切り方など技法に縛られず、自由に制作できる」と竹蓋さん。東日本大震災の11年、真壁地区内で倒壊した国登録有形文化財も多く、街並みも変化。それをきっかけに、復興に向け頑張る人を描く作品が多くなった。

竹蓋さんの作品は、優しい風合いの西ノ内和紙と竹蓋さんがコレクションした着物などの古布が使われるのが特徴。「茨城の建物や人がモチーフ。だからこそ、茨城で生まれた西ノ内の和紙を使いたい」とこだわりを話す。

今展は、真壁の街並みや「真壁のひなまつり」「真壁祇園祭」をはじめ、水戸での初個展開催を記念して、備前堀や六地蔵寺、保和苑など水戸の名所を表現した作品合わせて約80点が並ぶ。「真壁のひなまつり」閉幕後の3月4日からは、「真壁のひなまつり」のポスター原画も加わる。

会場左手に並ぶ「偕楽園タペストリー」シリーズは、「萩」や「左近の桜」「梅」など、偕楽園の四季を表現した5枚一組の作品。5枚をつなげると1枚の絵に見えるという。

「偕楽園は、子どもの頃から何度も訪ねた場所だが、東門から見た好文亭が美しく、新たな発見があった。作品を見た後にほっとしてもらえたら」と穏やかな笑みを浮かべた。

ひたちなか市の自営業、深作砂稚子さん(62)は「立体的で人や建物が生き生きしている。『那珂湊八朔まつり』など、地元の風景が切り絵で再現されうれしい」と話した。(鈴木聡美)

入場無料。午前10時〜午後5時45分。月曜休館。

「大洗磯前神社と干支大絵馬」の作品
「大洗磯前神社と干支大絵馬」の作品


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