2019年3月3日(日)

車載カメラ映像解析、AIが路面破損診断 つくば市が実証実験

早期に発見、事故減へ

道路パトロール車のフロントガラスに設置された路面撮影用のビデオカメラ(左手前)で破損を検出する=つくば市内
道路パトロール車のフロントガラスに設置された路面撮影用のビデオカメラ(左手前)で破損を検出する=つくば市内

つくば市は、走行中の車から道路を撮影し、人工知能(AI)を使って道路のひび割れや穴を検出する実証実験を始めた。車載カメラで撮影した映像からAIが路面の破損を見つけ、補修するかどうかを判断する。危険箇所を早期に発見して事故を減らすとともに、補修までの市の業務を効率化して市民サービス向上につなげるのが狙い。市の公用車とコミュニティーバス「つくバス」各1台に4K対応の高画質ビデオカメラを搭載。4月30日まで映像データを収集し、解析結果を踏まえて導入するか判断する。

市が管理する道路は総延長約3700キロ。県内自治体で最も長く、万全な管理が難しかった。これまでは市職員が平日、道路パトロール車で市内を巡り、目視で破損箇所を見つけ補修すべきかを判断してきた。

今回実験する「道路路面診断システム」は、AIに事前に「道路のひび割れや穴はこういうもの」という傾向を学習させておく。その上で、録画した道路の映像からAIが自動的にひび割れや穴を見つける仕組み。AIの検出精度は8〜9割の高さという。

市道路管理課が、カメラを搭載した道路パトロール車で午前(北部)、午後(南部)の1日2回、市内を回り市道を撮る。「つくバス」は市道の多い「谷田部シャトル」ルートを撮影コースとして選んだ。

実験には、システム開発のNTTコムウェア(東京)と、ソフトウエア開発の関東情報サービス(土浦市)が技術協力。NTTコムウェアがAIでの解析を担当し、関東情報サービスが撮影データの回収と、解析データを基にした市の業務効率化を担う。

同システムは破損箇所検出のほか、破損箇所の位置や現場写真、判断結果などを作業日報や工事発注依頼書にまとめることが可能。補修工事に優先順位をつけることもできる。それにより、市職員による工事発注までの事務手続きを減らすことができる。

課題は目視とAIの判断基準が合うかどうかや、車がある程度スピードを上げた場合でもAIがひび割れや穴を正確に認識できるかなど。市と関東情報サービスで実験結果を踏まえ、導入の可否を判断する。

市科学技術振興課は「テクノロジーを使って市民の安全な暮らしに貢献し、職員の負担軽減にもつながれば」と期待を込める。AIによる道路の診断は、先行して千葉市が実証実験している。


(高阿田総司)

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