2019年3月3日(日)

戸辺 東京五輪で“金” 陸上男子走り高跳び 2メートル40目指す

研究と両立 踏み切り位置数値化

報道陣に囲まれてインタビューを受ける男子走り高跳びの戸辺直人=2月27日、東京・味の素ナショナルトレーニングセンター
報道陣に囲まれてインタビューを受ける男子走り高跳びの戸辺直人=2月27日、東京・味の素ナショナルトレーニングセンター

陸上男子走り高跳びで2メートル35の日本記録を樹立した戸辺直人(26)=つくばツインピークス=が2月27日、東京都北区の味の素ナショナルトレーニングセンターで練習を公開。気温8度の中で最大2メートル20を跳び「この気温でこれだけ跳べるのは、自分の中ではかなりいい」と調子の良さをうかがわせた。来年に迫った東京五輪に向けては、金メダルを目標に掲げた。 (矢幡佳那子)

2月2日にドイツで行われた世界室内ツアー第2戦で、日本記録を13年ぶりに更新する2メートル35で優勝。同20日の最終戦も制して同ツアーで日本選手初の総合優勝を果たし、「かなり具体的に世界のトップが見えてきた」と確かな手応えをつかんだ。同26日から導入された個人種目の世界ランキング制度で7位にランクイン。「(20日の)デュッセルドルフの試合が含まれていないので、もう少し順位は上がると思う」と話した。

研究と競技の両立が相乗効果を生んだ。筑波大で4年間学んだ後、同大学院に進み、修士課程2年、博士課程3年と計9年間にわたり文武両道を貫いた。研究テーマは「走り高跳び」。自分自身やほかの選手の跳躍を、物理や数学の理論を駆使して分析。踏み切る足の角度や位置などを数値化して統計を取り、より良い跳躍を目指した。

「競技の息抜きに研究をして、研究の息抜きに競技をしていた」。日本記録をマークした欧州遠征出発前には「走り高跳びのコーチング学的研究」をテーマにA4で約160枚の博士論文を提出。口頭試問も終え、3月末には「コーチング学博士」の学位を取得することが決まっている。

日本記録の樹立は博士論文の最終審査から約1週間後。大会直前まで研究に打ち込んでいたといい、「記録を狙うというよりも、この状態でどれだけできるのかという感じだった」と振り返る。2016年リオデジャネイロ五輪では銅メダル、12年ロンドン五輪では銀メダルに相当する好記録に「もっと伸ばせる。2メートル40を目標にしたい」と向上心は尽きない。

4月からはアスリート社員として日本航空に入社するが、これまで通り筑波大で練習する予定だ。来夏の東京五輪に向けては「東京五輪の頃は28歳で一番いい時期。記録的にもより良いものを目指して、金メダルを獲りたい」と力強かった。

■とべ・なおと
1992年3月31日生まれ。194センチ、74キロ。千葉県出身。千葉・野田二中-千葉・専大松戸高-筑波大-千葉陸協-つくばツインピークス。日本選手権では2011年、15年に優勝。昨年7月のイタリア国際で日本歴代2位の2メートル32を記録。8月のアジア大会では銅メダルを獲得した。

跳躍の練習をする男子走り高跳びの戸辺直人=2月27日、東京・味の素ナショナルトレーニングセンター
跳躍の練習をする男子走り高跳びの戸辺直人=2月27日、東京・味の素ナショナルトレーニングセンター

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