2019年3月7日(木)

月1回のD51運転体験好評 栃木・真岡鉄道、SLキューロク館

本物の迫力満喫

D51の運転席に座り運転体験する参加者と、指導する機関士の谷口剛史さん(左)=栃木県真岡市のSLキューロク館
D51の運転席に座り運転体験する参加者と、指導する機関士の谷口剛史さん(左)=栃木県真岡市のSLキューロク館

一般市民の希望者を対象にした蒸気機関車(SL)のD51の運転体験が、栃木県真岡市のSLキューロク館構内で月1回実施され、ファンから好評を得ている。運転できるのは直線約25メートルの線路を時速約7キロで2往復。わずかな時間だが、体験者はSLの生み出すダイナミックな躍動感に魅了されている。一般市民が蒸気機関車を実際に運転体験できる場所は、関東地方で唯一という。 (筑西支社・冨岡良一)

▽雪国仕様の車両
D51は1938年製。北海道で運行された雪国仕様の車両で、ワイパーのない丸窓などに特徴がある。同館を運営する真岡鉄道は2015年、引退後に静岡市の公園に展示されていた同D51を無償で譲り受けた。再び駆動させるために、内蔵のボイラーで本来用いられる石炭と水の代わりに、圧縮空気を送り出すエアコンプレッサーを搭載。18年3月に再整備を終え、同館構内で運行し、親子の試乗体験などで活用を始めた。

さらに同鉄道は同6月から、一般市民向けに月1回の運転体験の公募を開始した。圧縮空気で動かすために煙こそ出さないが、長さ約20メートル、幅約3メートル、高さ約4メートル、重さ約125トンの鉄製車両を自らの手で操縦できる。「ポーッ」と鳴らす汽笛の音は重厚で、本物の迫力を満喫できる。

▽九州からの参加も
1月24日午後、9回目となる運転体験が行われ、20〜70代の11人が参加。長崎県から飛行機に乗って駆け付ける人もいた。参加者は運転前に約1時間の座学研修を受け、SLを駆動させる煙管式ボイラーの構造、2種のブレーキなどについて最低限の理解をする。

座学研修と運転はともに若桜鉄道(鳥取県若桜町)の機関士、谷口剛史さん(44)が指導。「ブレーキをかけてもすぐには利かない。操作には性格が見事に出る。ガツガツ動かす人、慎重に動かす人」と谷口さん。SLの魅力について「無駄がない、武骨な機能美」とし「機械だけれど妙に人っぽく、手が掛かる。同じ操作をしても同じ動きをするとは限らない」と説明した。

▽また来たくなる
発進の直前に汽笛を鳴らす。前進と後進の逆転機、ブレーキハンドル、アクセルに当たる加減弁開閉ハンドルをそれぞれ慎重に動かして運転する。運転席の体験者の操作について、谷口さんが傍らで逐一助言しながら見守る。急発進させると、動輪がレール上を滑って空回りする。

「急にストップしたり、ブレーキが難しい」と、体験した東京都国分寺市、吉田真一郎さん(40)。「自分の手で動かす感動がある。うまくいってもいかなくても、また来たくなる」と目を細めた。SLを動かすのは3回目という横浜市、岩切正寛さん(72)は「これだけ大きなものを自分の手で動かせるのは快感。圧縮空気とはいえ蒸気と同じように動かせる。素晴らしい」と満足げな表情を見せた。

募集は毎月4日から1週間行われ、運転体験は第4木曜日に開かれる。定員12人。費用は1回1万円。競争倍率は約1・5倍で推移しているという。問い合わせは同鉄道(電)0285(84)2911

一般市民の運転体験によりSLキューロク館構内を走るD51=栃木県真岡市台町
一般市民の運転体験によりSLキューロク館構内を走るD51=栃木県真岡市台町


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