2019年3月8日(金)

震災から8年 道の駅 進む防災拠点化

震災で強み再認識 発電機や毛布、万一に備え

非常用発電機や毛布などを備蓄した「道の駅ひたちおおた」の防災倉庫=常陸太田市下河合町
非常用発電機や毛布などを備蓄した「道の駅ひたちおおた」の防災倉庫=常陸太田市下河合町

東日本大震災以降、「道の駅」の防災拠点化が進んでいる。幹線道路沿いに立地し、広い敷地にトイレや休憩施設、物販・飲食コーナーを備えた道の駅は震災時、近隣住民や帰宅困難者らが駆け込み“命を守る場”として活躍した。底力が再認識され、この8年間で県内でも発電施設や非常用電源、備蓄倉庫、Wi-Fiの整備が進むほか、災害時の医療態勢も備えようと整備計画を打ち出す道の駅も出てきた。 (報道部・三次豪)

■避難者受け入れ
2011年3月11日夜、「道の駅ごか」(五霞町幸主)の駐車場は東北ナンバーの車であふれた。国道4号を南下し、逃げてきた避難者たちだった。「ただごとじゃないと思った」。同駅の竹政敏明駅長代理は当時を振り返る。

同駅も激しい揺れで、特産品売り場の棚から飲み物の瓶などが多く落ちて割れた。職員が夜まで後片付けに追われていると、行き場を失った避難者が休憩や食料品購入のために次々と訪れた。

福島県からの避難者が多かった。着の身着のまま車に乗り込み、幼児を抱えて「行く場所がない」と途方に暮れる家族が多くいた。同駅は、観光情報などを発信する情報館を一時、避難所として開放。直売所の野菜などを提供しながら約1週間、数十組の避難者を受け入れ避難生活を支えた。

交通網の混乱やサプライチェーン(部品の調達・供給網)の寸断で、食品スーパーやコンビニ店が仕入れ不能に陥り品薄が続く中でも、同駅は日頃近隣の農家から野菜や果物などを直接仕入れている強みを発揮。豊富な商品を求めて地元住民も大勢訪れた。

■医療態勢も
東関東自動車道・潮来インターチェンジ近くに位置し、本県の“東の玄関口”にある「道の駅いたこ」(潮来市前川)は防災施設の整備に力を入れている。

同駅は震災後、液状化被害でやむなく営業を約半年間休んだが、液状化対策工事が完了した後、太陽光や風力の発電施設、蓄電池など非常時に備えた設備を相次いで設置した。

同駅の掛水了駅長代行は「災害時でも、赤ちゃんのミルク用のお湯を沸かすことができ、LED(発光ダイオード)照明や携帯電話の充電もできる体制を整えた」と説明する。

今年1月、国土交通省から優れた取り組みに対し財政支援が受けられる「重点道の駅」に選定された。今後、災害時に小児科医や婦人科医、カウンセラーの派遣のほか、遠隔医療を受けられる態勢づくりや、抗菌シャワールームの設置などの企画案が上がっている。

■困った人助ける
道の駅は現在、県内に13カ所。県は15年、県道の駅地方創生ワーキングチームを立ち上げ、幅広い分野の部局が参加し各駅長らと連携して、道の駅の向上策の検討を続けている。

県道路維持課の担当者は防災拠点として、地域とのつながりの強さや敷地の広さなど、道の駅の“懐の深さ”に注目し、「リニューアルの際は防災拠点化を意識するよう各駅に呼び掛けている」と話す。

16年に整備された「道の駅ひたちおおた」(常陸太田市下河合町)は、非常用発電機や毛布などを備蓄した防災倉庫、非常用井戸、太陽光発電施設、蓄電池など防災設備を完備。建設計画中に震災が発生し、計画を練り直した結果だ。

道の駅ごかも、自家発電機やガスこんろ、蒸し器などを整備し、いつ再び起きるか分からない大規模災害に備える。竹政駅長代理は「災害時には困った人を助ける。今後、道の駅はそうした役割も果たしていかなければならない」と話した。

★道の駅
駐車場やトイレを24時間無料で利用できる休憩施設として、1993年に登録を開始。道路利用者への安全で快適な道路交通環境の提供および地域の振興に寄与することを目的とし、これまでに1145駅が登録。市町村などからの申請に基づき、国土交通省道路局で登録を行っている。

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