2019年4月7日(日)

「龍ケ崎市駅」改称まで1年 知名度向上なるか 効果、機運醸成が鍵に

「龍ケ崎市駅」改称まで、あと1年と迫ったJR常磐線佐貫駅の東口=龍ケ崎市佐貫町
「龍ケ崎市駅」改称まで、あと1年と迫ったJR常磐線佐貫駅の東口=龍ケ崎市佐貫町

龍ケ崎市が知名度向上を狙いに踏み切ったJR常磐線佐貫駅の改称まで、残り1年と迫った。新駅名は「龍ケ崎市駅」と決まり、焦点は機運醸成に移る。改称を巡っては、効果に懐疑的な市民団体が住民投票を求めて直接請求した経緯もあり、市民の盛り上がりには丁寧な説明が求められる。改称予定の2020年春は、話題を呼んだJR山手線新駅の開業と重なり、埋没を防ぐ取り組みも欠かせない。(取手・龍ケ崎支局 鈴木剛史)

■市名と不一致

通勤ラッシュの平日午前7時台の佐貫駅東口。バスや車が次々とロータリーに乗り入れ、サラリーマンや学生らが構内に吸い込まれていく。

JR東日本のまとめによると、同駅の1日当たり平均乗車人員は近年、1万数千人で推移。常磐線の県内駅では水戸、取手、土浦、勝田に次ぐ規模で、龍ケ崎市の玄関口と言える存在だ。

駅名改称については1950年代から、市議や地元団体が繰り返し提案・要望してきたが、2013〜14年にかけて中山一生市長の政策として再浮上した。

背景には、市の認知度を高めたい思惑がある。柏(千葉県)や取手、牛久といった近隣の駅が自治体名と同じなのに対し、佐貫駅は市名と不一致。市担当者は、佐貫駅が市内に所在する印象が薄いとみて、「どれだけ移住定住の促進や子育て支援を訴えても、市自体が知られていないと『選ばれるまち』になれない」と危機感を募らし、PR効果に期待を寄せる。

■県内16年ぶり

中山市政2期目の14年から、JR側と協議が本格化した。

当初は17年4月の消費増税に伴うJRのシステム変更に合わせた改称が決まったが、政府が増税を延期したため一時頓挫。昨年7月に再度、JR水戸支社と協定を結んで改称を20年春とした。JRの施設機器更新に合わせて駅名を変更するもので、市の負担は約3億8900万円を見込む。

市単独で改称に乗り出すより費用を抑えられるといい、「政治判断で時期が変わる消費増税と比べて確実性が高い」(市企画課)との判断が働いた。実現すれば、県内では04年に「十王駅」(日立市)となった川尻駅以来、16年ぶりの改称となる。

市は貯金に当たる基金を取り崩し、19年度当初予算に関連経費約3億7800万円を計上した。ほかに、佐貫駅を起点とする竜ケ崎線の運営会社・関東鉄道にも改称関連の負担金を支出する方向だ。

■問われる手腕

市の財政規模としては比較的大きな出費となる駅名改称事業は、市民全体の合意形成と話題づくりの手腕が問われる。

市民団体「JR佐貫駅の改称問題を考える会」は15年、住民投票条例の制定を求めて8212人の署名と共に直接請求した。市議会は反対多数で否決したが、三瓶和昭代表(82)は「(改称に)本当に意味があるのか今でも疑問」と説明不足を指摘し、「どうして変える必要があるのか。(統一地方選の)市議選の結果を見守り、改選後の議論を期待したい」と話す。

ユニークな名前で話題を呼んだ山手線新駅「高輪ゲートウェイ」の開業とタイミングが重なり、龍ケ崎市駅の船出が埋没してしまう懸念もささやかれる。

市担当者は、これらの対応策について「まだ具体化していない」とした上で、「JRと話し合い、出せる情報は公開し、意見交換会で市民の理解を求めていきたい。高輪ゲートウェイ駅は大きなニュースになるはず。これに乗る形で、かすまない施策を推進したい」と説明する。



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