2019年4月10日(水)

茨城県が06年指針策定 都市計画道見直し慎重 完了は13市町

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人口減少など社会情勢の変化を受け、市町村が高度成長期に都市拡大を前提に決定した「都市計画道路」の見直しを進めている。しかし、茨城県が2006年に都市計画道路再検討指針を策定して以降、10年以上がたった今、見直しが完了したのは水戸市、つくば市など13市町にとどまり、8市町が作業を続行している。未整備路線の計画を継続するのか変更・廃止するのか、悩ましい決断を前に、市町村の慎重な姿勢がうかがえる。(報道部・三次豪)

■“百年の大計”

「将来的な必要性があって計画された道路。廃止や縮小は論理的に説明できないと駄目。見直しは利益を得る人、損をする人が生じる。慎重にならざるを得ない」。都市計画道路の見直しの難しさについて、再検討に取り組む自治体の担当者は苦悩を打ち明けた。

現在、見直しを進めているのは筑西市や笠間市、小美玉市など。道路の機能や交通量、代替道路の有無などを調査し、検証の結果、「廃止が妥当」と評価されても、関係機関との協議が難航して振り出しに戻る事例もあるという。別の担当者も「多様な意見があり調整が難しい」と話す。

都市計画道路は“百年の大計”として、特に昭和の高度成長期、将来の人口増加や経済成長に伴う交通量の増大を見込んだ都市の将来像に基づき、多くが決定された。

■“塩漬け”17%

しかし、近年の人口減少による市街地拡大の収束、高齢化の進行など、道路を取り巻く社会情勢は大きく変化。財政難を背景に整備が進まず、未着手のまま年月が経過するうちに計画の必要性が薄れている路線も存在しているが、再検討は容易に進まない。

県都市計画課によると、県内で計画決定している都市計画道路は計1037路線(全長2724キロ)。このうち、整備済みは1761キロで、整備率は64・6%(17年3月末現在)。一方で、計画決定から20年以上が経過し、未着手の“塩漬け”路線は約450キロで全体の約17%を占める。

都市計画道路の予定区域は、事業の円滑な執行を確保する目的で建築制限が課せられ、建物は地階を有せず、木造か鉄骨の1〜2階建てしか建築できない。長年放置されている予定区域は、その影響で土地利用や売却が進まず、「地域の活性化を阻害している」と問題視する声もある。

■3割を再検討

水戸市は14年から、都市計画道路47路線の見直しに着手し、17年7月に完了した。このうち、20年以上も整備に未着手だったのは25路線で、その約3割を見直し、代替道路の整備や計画道路の重要性低下などを理由に、3路線を廃止、5路線を区間縮小とした。

廃止路線の一つの「堀町加倉井線」は、計画決定から未着手のまま36年の歳月が過ぎていた。同路線はJR赤塚駅周辺地区と双葉台団地を連絡する幹線道路として役割が期待されたが、事業が進む別の市道によって「その機能を代替することが可能」などの理由から全線廃止となった。

市建設計画課は「都市計画道路の廃止・見直しに伴い、道路を境界としていた用途地域に変更が生じた。道路廃止後の土地に新たに設定する用途の調整、都市計画の変更に伴う地元説明会で挙がった意見の調整などに時間を要した」と、都市計画道路の見直しの難しさを振り返った。

★都市計画道路

公園、下水道などと並ぶ都市施設の一種で、将来のまちの姿を考慮して計画される都市の骨格となる道路。都市計画法に基づき、あらかじめルートや幅員などが計画決定されている。



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