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“花”に光、日本の四季 テーマ展 掛け軸や屏風40点 県立歴史館

テーマ展入り口付近に飾られている「四季草花鳥獣図屏風」=水戸市緑町の県立歴史館
テーマ展入り口付近に飾られている「四季草花鳥獣図屏風」=水戸市緑町の県立歴史館


“花”に光を当てたテーマ展「花ざかり-描かれた春夏秋冬-」が、水戸市緑町の県立歴史館で開催されている。同館収蔵の千点以上の美術作品の中から、花がモチーフの掛け軸や屏風(びょうぶ)など厳選した約40点を展示。さまざまな美術作品から日本の四季を感じることができる。会期は6月9日まで。

今展は、「春」「夏」「秋」「冬」の4部構成。ほかに新元号「令和(れいわ)」の出典元とされる万葉集など、文学作品に登場する「詠まれる花」や「暦と花」を特集したコーナーがある。

会場入り口では、スミレやユリ、朝顔が描かれた掛け軸「春秋草図」や、フジやユリなどの花々が、6面に1面ずつ独立した形で描かれた、江戸時代後期の作品「四季草花鳥獣図屏風」を展示。

「春」では、サクラが描かれていないものの、楽しげなうたげが伝わる、古河藩出身の河鍋暁斎が描いた掛け軸「桜狩之図」がある。「明治ごろまでは『桜狩り』という言葉が使われていたようだ」と同館副主任学芸員の武子裕美さん(39)は説明する。「夏」では、水戸藩9代藩主徳川斉昭が制作し、斉昭直筆の文字が書かれた竹の花筒「朝顔花筒」。

「秋」では、南画家だった立原杏所の長女、立原春沙が描いた、黄色いオミナエシと藍色のキキョウが鮮やかな掛け軸「女郎花(おみなえし)と桔梗(ききょう)図」が展示され、「冬」には、婚礼で用いられたかんざし「鶴亀松竹梅簪(かんざし)」などが飾られ、中国と日本で、松竹梅の意味合いの違いを知ることができる。

武子さんは「サクラの季節は終わったが、(美術作品から)面白い発見をしてもらえたら。慌ただしい生活の中で、ゆっくり見てほしい」と話す。

午前9時半〜午後5時。月曜休館(祝日の場合は翌日が休み。8日は休館)。2日は満70歳以上は無料。同館(電)029(225)4425。 (鈴木聡美)

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