2019年5月8日(水)

被ばく医療の体制強化 千葉、量研がセンター発足

量子科学技術研究開発機構に新設された「高度被ばく医療センター」の発足式=千葉市
量子科学技術研究開発機構に新設された「高度被ばく医療センター」の発足式=千葉市

東京電力福島第1原発事故を教訓に国が強化した被ばく医療体制で、人材育成などを担う「基幹施設」に指定された千葉市の量子科学技術研究開発機構(量研)が7日、「高度被ばく医療センター」の発足式を開いた。1999年の東海村ジェー・シー・オー(JCO)臨界事故などに対応してきた放射線医学総合研究所(放医研)を再編。量研が被ばく医療の司令塔となり、原子力災害が発生した場合には、強い放射線を浴びた患者の診察も行う。

発足式には、医師や看護師ら25人が出席。量研の平野俊夫理事長が「被ばく医療のオールジャパンの体制を構築していく」とあいさつ。センター長に就任した山下俊一・福島県立医大副学長は、福島第1原発事故で多くの住民が被ばくした際に、対応する医療従事者が不足したことに関連し、「国内外の専門家と協力し、人材育成と社会貢献に努める」と述べた。

国内の被ばく医療体制は、JCO臨界事故をきっかけに本格的に整備が始まった。しかし、福島第1原発事故では放射性物質の広域拡散が想定されておらず、被ばく医療が機能不全に陥った。国は、原発関連施設30キロ圏の24道府県に原子力災害拠点病院の指定を義務化。本県には、県立中央病院(笠間市)と水戸医療センター(茨城町)、筑波大附属病院(つくば市)の3カ所が指定されている。

量研によると、高度被ばく医療センターの関連部署や職員約70人は、量研に属している放医研から集約。患者を受け入れて治療方針を決める「被ばく医療部」▽国内外の被ばく事故現場に医師らを派遣する「放射線緊急事態対応部」▽被ばく線量の推定に関する基礎研究をする「計測・線量評価部」-などに分かれる。

国が強化した被ばく医療体制では、量研のほか、弘前大(青森県)と福島県立医大(福島市)、広島大(広島市)、長崎大(長崎市)の全国5カ所を被ばく患者の治療に当たる「高度被ばく医療支援センター」に指定し、うち一つの基幹施設が同センターの医師や看護師、技術者らを育成する。(三次豪)



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