2019年5月17日(金)

県OB・新たに5人、計16人に 19年度副市町村長、貴重なパイプ役

茨城県内自治体の副市町村長に県職員OB・OGが就くケースが増えている。2018年度、県側の人材確保を理由に大井川和彦知事の方針で現職職員の派遣は取りやめられたが、OBがその穴を埋めている形だ。19年度も5人の元職員が市町村に活躍の場を転じた。県との「パイプ役」としてだけでなく、長年の行政経験や数カ所での副市町村長経験が評価されている。過去には現職、OBを含め44市町村の半数以上に県職員が就いていた時期もあり、県側も市町村の情報を直接収集できるメリットがあったとされる。今後も県職員人気は続きそうだ。

副市町村長は就任に議会の同意が必要な特別職。県市町村課によると、近年、OBが最も多かったのは橋本昌前知事時代の15年度の23人で、市町村数の52%を占めた。内訳は現職17人、OB6人だった。18年度は現職職員を引き揚げたことでOBのみとなり、ここ7年間で最少の11人。19年度は新たに5人が加わり、16人の県OBが就いている。

19年度は、副市町村長就任が2回目という市町村行政に精通した人が多い。笠間市副市長も務めた渡辺千明氏はつくばみらい市副市長に就任。下妻市副市長の斎藤章氏は牛久市副市長、大子町副町長の赤津康明氏は城里町副町長をそれぞれ歴任している。15年11月から18年3月まで現職派遣で潮来市副市長を務めた庄司敦子氏は定年を待たず退職し、1年間のブランクを経て“再登板”となった。

市町村から就任要請が多い理由について、県幹部は「県とのパイプ役が欲しいのが一番だろう」と推測する。また、地元自治体と地縁、血縁が薄いOBがほとんどで、「しがらみのなさ」も魅力の一つ。首長の交代時や議会との関係で生え抜き職員の起用が難しい場合に、市町村が県を頼るケースがある。

県からの副市町村長派遣の是非については県議会で過去に取り上げられている。「市町村との良好な関係構築に必要」(自民県議)として現職派遣の再開を求める声があった一方、以前には他県と比べて派遣が特に多いことが批判の的になり、「県の動向や政策を受け入れさせる誘導策になっていないか」(共産県議)、「一部では市町村の自主性を損なうとの声も聞かれる」(自民県議)という指摘もあった。(黒崎哲夫)



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