2019年6月7日(金)

江連用水復活、3人に光 元小学校長、北澤さん 児童向け読本出版

出版した「江連用水ものがたり」を掲げる、元関城西小校長の北澤正さん=筑西市木戸
出版した「江連用水ものがたり」を掲げる、元関城西小校長の北澤正さん=筑西市木戸

■流域小学校に寄贈へ

農業用水路の工事に命を捧げた江戸時代の偉人たちに光を当てようと、元筑西市立関城西小校長の北澤正さん(67)=筑西市木戸=が、小学生社会科学習の副読本「江連用水ものがたり」を自費出版した。水路の流れる筑西、下妻、常総の3市の小学校、図書館に同書を寄贈する。北澤さんは「今の豊かな暮らしがあるのは、その時代の人々の努力があったおかげだと知らせたい」と願いを込める。

江連用水は、栃木県真岡市上江連付近で鬼怒川の水を取り込み、常総市中山町まで水を送る全長約40キロの農業用水路。江戸時代の1726(享保11)年に開削された。現在は筑西、下妻、常総の3市にまたがる田畑約2800ヘクタールに農業用水を供給し、農家約4600戸が恩恵を受けている。

同書はA4判35ページ。200部印刷された。読者は小学4年生を想定し、文中の漢字には全てルビが付けられている。北澤さんが力点を置いたのは、人々の考え方や河川環境の変化で一度失われた同用水路を、1829(文政12)年に復活させた稲葉儀右衛門、荒川又五郎、猪瀬周助の「三義人」の人物紹介。

また、命懸けで行われた幕府の老中への直訴を含めた計5回にわたる農民の工事請願活動の解説も、大きな読みどころとなっている。

北澤さんは旧真壁町(桜川市)の生まれ。新採教員として下妻市立下妻小に赴任し、江連用水の復活を通して再現されたため池「砂沼」(同市)の歴史を調べて教えると、子どもたちが目を輝かせた。「逆に郷土の歴史が大切だと学ばされた」と北澤さん。今回の読本はその頃から約40年間、構想されたものという。

用水路の復活には、天明の大飢饉(だいききん)という社会的な危機があった。北澤さんは「今の子どもはゲームなどに注目し、地域の祭りや歴史にあまり目を向けない。社会も米作りを軽く見る傾向がある。その現状を打破したい」と話している。問い合わせは北澤さん(電)090(2204)7382
(冨岡良一)



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