2019年6月13日(木)

ペットの美容室 手厚く葬儀支援 つくば

「最期、安らかに」 飼い主に寄り添う

花を飾り付けた籠の中にペットの遺体を納めた家族葬のイメージ。右は吉鹿隆司さん=つくば市内
花を飾り付けた籠の中にペットの遺体を納めた家族葬のイメージ。右は吉鹿隆司さん=つくば市内

つくば市のペット向け美容室が、ペットの死から葬儀までを支援する総合サービスを始めた。飼い主の自宅に花の祭壇を作ったり、葬儀の段取りを手伝ったりしている。少子化やペットを家族として扱う家族化を背景に、ペットも人間同様に手厚く見送るサービスの需要が高まっている。同美容室は「最期を安らかに送ることで、ペットロスを防ぐきっかけにもなれば」と話している。


サービスを始めたのは、同市のペット美容室「カリフォルニアドッグ」。主な内容は、ペットが亡くなったとき、飼い主の自宅に出向き、葬儀から火葬、埋葬まで一連の催事を全てサポートする。亡きがらを美容師がきれいに整え、生花に包まれた籠の祭壇や思い出の写真を入れた額を用意。美容師が「おくりびと」の役割を果たし、丁重な家族葬を行うことで、飼い主の心に寄り添う考えだ。趣旨に賛同した県内のペット葬儀場とも提携した。

美容室代表の吉鹿(よしか)隆司さん(47)はかつて、顧客の愛犬が死んだ時、ペット用火葬場で亡きがらが汚れたまま段ボール箱に入れられ、型通りの火葬が行われるのを目の当たりにした。「ショックだった。きちんと葬ってやれなかったという思いが飼い主に残っていた」と振り返る。最期の別れの方法によっては、ペットロスが癒えにくくなるという。

土浦市の60代男性は、愛犬の死を経験した際、「慌ただしく、時間をかけて向き合うことができず、ペットロスになった」と語る。

自らも犬を飼う吉鹿さんによると、突然のペットの死に直面し飼い主が混乱するが、頼む所がないのが現状という。「人と同じように葬儀を自分流にアレンジすることで、飼い主も愛犬や愛猫をきちんと見送ったという気持ちが残り、心の整理がつきやすくなる」と飼い主の思いを代弁する。

少子化に伴い、ペットと家族同然の生活を送る年配者は増加。県内でもペットの美容室には送迎サービスが付き、老犬・老猫ホームの「みとりサービス」も登場。一方で、つくば市内だけでも年間千頭の犬が死を迎えているという。

調査会社の矢野経済研究所は、昨年の調査で犬猫の飼育頭数は減少傾向にあるものの、ペット産業の市場規模は1兆5千億円を超え、商品・サービスの多様化や単価上昇により微増すると推計する。

吉鹿さんは「ペットを飼う人が、こんなサービスがあったらいいなという思いを大事にしたい。ペットの価値観、在り方も変わってきている中で業界全体で成熟して変わっていければ」と期待を込めた。(綿引正雄)



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