2019年6月23日(日)

減少続く高校運動部員 「合同」で活動継続

筑波高の野球部員に交じり、田嶋一彦監督(左)の指導に耳を傾ける明野高の渡辺駿介さん(左から3人目)=つくば市北条
筑波高の野球部員に交じり、田嶋一彦監督(左)の指導に耳を傾ける明野高の渡辺駿介さん(左から3人目)=つくば市北条

■練習場所や移動、指導 推進に課題あらわ

茨城県内高校の運動部員が少子化で減少し、単独校では大会に出場できない複数校による「合同チーム」が近年、増えつつある。県教委は今夏、県北山間部と鹿行南部をモデル地域に「合同部活動」を試行し、その在り方を検証する。合同チームは他校の指導者から助言を受けられる利点がある一方、練習場所の調整や移動時間、指導方針の違いによる生徒の戸惑いなど、克服すべき課題は多い。 (古河支局・溝口正則)

■必要な救済策

夏の県大会を控え、16日に行われた筑波高と水海道二高野球部の練習試合。筑波高ナインに交じり、違うユニホーム姿の生徒が声援を送っていた。

明野高1年、渡辺駿介さん(16)は、甲子園出場の実績がある同高野球部でたった1人の部員。筑波高の田嶋一彦監督(63)に誘われ、週末に同高の練習に参加している。「いつか単独チームで出場したい。そのときに向け、一緒に練習してくれる筑波高に感謝している」と話す。

筑波高も昨秋の県西地区大会には3校合同チームで出場。4月以降、1年生らが入部し、夏の単独校出場に間に合った。田嶋監督は「合同チームは生徒の救済策として必要。大会に向け試合経験を積む機会も得られる」と強調。同高3年、田中康太さん(17)は「昨秋、合同チームに参加し、参考になるトレーニング法を他校から教わった」と利点を挙げた。

■2地区で試行

県教委や県高校体育連盟によると、2018年度の県立高校の運動部員総数は7万9213人。加入率は毎年40%前後を維持しているが、少子化で生徒の総数に比例し部員数は年々減少している。「合同チームは今後増えるだろう」と関係者は口をそろえる。

県教委は今夏、生徒数の減少が顕著な県北山間部と鹿行南部で、約2カ月間にわたり各3校が参加する合同部活動を3競技で試行。経験豊富な運動部活動指導員を1人ずつ派遣し、合同チームでも生徒の意欲や技術をどう向上できるか、在り方や創意工夫を研究・検証する方針だ。ただし、実際に合同チームを結成し大会に出場するかは「学校ごとの判断」とした。

県教委は「少人数でも部活動を続けたい生徒を応援するのが一番の目的」(保健体育課)と話し、競技経験のない教員にとっても他校の指導者からノウハウを吸収できる利点があると指摘した。

■戸惑う生徒も

ただ、合同チームに参加し戸惑いを感じた生徒もいる。県西地区のある高校野球部員(17)は「打席では積極的にバットを振れと教わっていたが、他校の指示は『じっくりボールを見極めろ』。練習内容や起用法も学校によって異なり、正直戸惑った」と吐露する。

鬼怒商高校長で、県高校野球連盟の蒔田巧(まきたたくみ)副会長(58)は、(1)週末以外に組織的な練習ができない(2)試合の日程調整が難しい(3)選手同士のコミュニケーション不足-を主なデメリットに挙げた。

県教委も他に、移動の時間・方法や費用負担増など多くの課題があることを認める。現場からも「遠方の学校と合同チームを組み、見知らぬ地区予選に出場したときは違和感を覚えた。遠距離移動で教員の他の業務に影響が及ぶ可能性もある」との声もある。

田嶋監督は「もともと、一時的な救済策で始まった合同チームを広めるには、ルールを再度きちんと定めることが必要」と話す。蒔田副会長は「それでも部活をしたい生徒がいる。ハードルを乗り越え、モチベーションを保った生徒の人間的な成長は大きい」と話した。



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