2019年6月26日(水)

茶道文化学術賞 木塚さん(土浦市博物館)奨励賞

大名茶人・松平不昧研究の書籍評価

松平不昧の書籍が茶道文化学術賞奨励賞を受賞した木塚久仁子さん=土浦市中央
松平不昧の書籍が茶道文化学術賞奨励賞を受賞した木塚久仁子さん=土浦市中央

土浦市立博物館の学芸員が、江戸時代の出雲松江藩主で大名茶人として知られる松平不昧(ふまい)(治郷(はるさと))(1751〜1818年)について書いた書籍が、茶道関連団体が主催する本年度の「茶道文化学術賞」奨励賞を受賞した。土浦藩から売却された茶道具を多く所有していた不昧の研究を深めた。受賞について「身に余る光栄。土浦藩・土屋家の研究につなげていければ」と話している。

受賞したのは同館副館長で学芸員の木塚久仁子さん(54)。書籍は「松平不昧 名物に懸けた大名茶人」(宮帯出版社)。昨年4月、不昧の没後200年に合わせて出版された。

同学術賞は、茶道文化の普及活動を行う公益財団法人三徳会(本部東京)が主催。茶道研究に関する著書と論文を対象に毎年受賞者を選んでいる。

同書では、従来の不昧像は青年期と晩年の茶の湯感が矛盾していると考えられるのに対し、青年期に掲げた理念を晩年まで貫き通す一貫性があったと提示。不昧は弱冠20歳で著した茶書「贅言(むだごと)」で、千利休から受け継がれてきた「わび茶」の衰退を批判した後、江戸初期の大名茶人、小堀遠州が選んだ茶道具を「中興名物」としてたたえ、自らも収集するようになったと描いた。藩政改革を成功に導いた一面も紹介した。

木塚さんは、不昧が道具収集に転じた理由を「名品の持つ美と存在感、強い影響力が人を変えた」と指摘した上で、不昧の理念と道具好きが茶の湯の復興にも貢献したと強調した。

木塚さんは、同館で土浦藩主・土屋家が所有していた中興名物など茶道具の移り先を資料「土屋蔵帳」を基に分析。30〜40点を不昧が入手したことを知り、不昧研究を深めた。

今後について「地方の大名の政治と文化を融合した視点で研究を果たしていきたい。土屋家の研究もさらに深められれば」と見据えた。(綿引正雄)



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