2019年6月30日(日)

周遊観光、人力車で 水戸の市民団体が法人化

日常運行へ体制構築

県立歴史館の「いちょうまつり」で運行した人力車=2018年11月、水戸市緑町
県立歴史館の「いちょうまつり」で運行した人力車=2018年11月、水戸市緑町

人力車を使った催しを手掛けてきた市民団体「絵になる水戸プロジェクト」が、周遊観光の取り組みを加速させる。6月に法人化を果たし、催し開催時だけでなく将来的に日常的に運行できる体制構築を目指す。水戸市内に点在する歴史的な観光地を結ぶ新たな移動手段としての仕組みをつくり、観光客の周遊と地域の魅力向上を促していく。


同プロジェクトは2017年、県が認定するいばらき観光マイスターの首藤敦子さんと松沢実希子さんが、人力車を活用した周遊観光の企画を提案したのが始まり。ビジネスプランコンテストで入賞し、中心市街地における「水戸まちなかフェスティバル」や県立歴史館の「いちょうまつり」などの催し会場で運行して人気を集めてきた。

水戸市内には弘道館や偕楽園のほか、来年1月には復元される水戸城大手門など歴史的観光資源が点在する。法人化によりこれまでの取り組みを本格的な事業として進め、人力車を使って観光資源を楽しめる環境整備を目指す。松沢さんは「かつては水戸駅から偕楽園まで、人力車の列ができていたという文献もある。そういう風景をよみがえらせたい」と話す。

本社は同市渡里町に開設した。まずは人力車1台を購入して運行する。結婚式や七五三など記念行事などへの出張や貸し出しも想定する。購入にはクラウドファンディングを活用し、7月から資金を募る予定だ。将来的には水戸駅北口周辺に待機所を設け、1回千円程度の料金で、偕楽園や三の丸地区の白壁周辺を中心に周遊を促す。

また、人力車を引く車夫を育成し、観光知識を習得させる。観光客が乗車する際に車夫に各施設を解説させるなどして、人力車事業に「動く観光案内所」としての役割を持たせる方針。都内で人力車の運行を手掛ける「岡崎屋プロダクション」と事業提携し、こうしたノウハウを習得していく。

全国では京都市や鎌倉市、横浜市などの観光地で、史跡や名所を巡る移動手段として民間による人力車運行が活用されている。同プロジェクトでも水戸市の中心部を舞台に、歴史的な観光資源間を結ぶ移動手段として根付かせたい考えだ。

首藤さんはさらなる増加が見込めるインバウンド需要なども見据えながら、「普段は目に留まらないような水戸の魅力を伝えられることができる。人力車による観光地巡りの需要を掘り起こしたい」と意気込む。 (前島智仁)



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