ひたちなか市と大洗町の海浜地区を魅力的でおしゃれな観光地にする「ひたちなか大洗リゾート構想」に関し、県と両市町の関係者は2日、同構想推進協議会を設立した。協議会の初会合が同日開かれ、個別に活動してきた両地区の連携を強化していくことを確認した。

協議会は3者の行政、観光関係者に加え、有識者や関係企業など約30人が参加した。会長に就いた玉川明県政策企画部長は「両地区は本県を代表する観光地がある一方、有機的連携が課題だった。地域が一丸となり、連携を通じて構想を着実に進めたい」とあいさつ。国営ひたち海浜公園や県大洗水族館をはじめ、ロックやアニメのイベントなど既存の観光資源を生かしつつ、高級ホテルやスカイスポーツを誘致するなど3月に公表した構想への協力を求めた。

広域自転車レンタルやイベントの統一的発信など短期的に実現可能な施策に取り組むことを確認。参加者からは「提供する側も楽しめているかどうかが大事」(小原規宏茨城大准教授)、「魅力をつなぐとストーリーが生まれる」(近藤潤一電通シニア・クリエーティブ・マネージャー)といった指摘があった。宿泊施設の業界団体は高級ホテル誘致に関し「組合員から不安が出ている」として理由の明確化を訴えたほか、観光の通年化や既存施設の磨き直し、宿泊者への施設入場料割引拡大なども議論するよう求めた。(黒崎哲夫)