2019年7月12日(金)

赤水資料、新たに24点 高萩の子孫宅 地図情報更新の跡

現在の青森県や岩手県、秋田県が記された地図の下図。「津軽南部改正図」の文字が見える
現在の青森県や岩手県、秋田県が記された地図の下図。「津軽南部改正図」の文字が見える

日本で初めて経緯線のある全国地図を完成させた高萩市出身の学者、長久保赤水(1717〜1801年)の新発見を含む資料24点が、同市内の子孫宅で見つかった。新たな発見は「津軽南部改正図」などと書かれた地図の下図1枚で、下北半島の形を修正するなど赤水が地図情報の更新に取り組んだ跡が見て取れる。赤水顕彰会の佐川春久会長は「赤水が細かい作業を繰り返し、地図を仕上げた経緯が分かり、貴重な発見」と話す。

子孫宅で6月13日に見つかったのは、地図の下図のほか、伊勢から京都までの地名など地図情報を文字に起こした文書、知人からの書簡、子孫に残した遺墨など。

市が以前一度預かって記録を取り、子孫宅に返却した後所在が分からなくなっていたものもあった。

「津軽南部改正図」と題した地図の下図には、現在の青森県や秋田県、岩手県を記載。商品として流通した赤水の「改正日本輿地(よち)路程全図」(赤水図)は、初版では青森県北東部の下北半島が鎌のような形だったが、今回発見された下図では現代の地図と同じ斧(おの)のような形で描かれている。

二版(1791年)では斧の形に修正されており、今回発見の下図は初版から二版に作り直す過程のものとみられる。新たに分かったことを基に、赤水が修正を図ろうとした跡が見て取れるという。

佐川会長は「赤水の細かい分析や技術が分かる。赤水図の価値の裏付けになり、この資料が出たのはうれしい」と話した。

同市高萩の市歴史民俗資料館は13日から赤水に関する企画展を開催予定で、今回見つかった資料も展示する。(小原瑛平)

★長久保赤水

現在の高萩市赤浜の農家に生まれた。日本各地を旅しながら官製地図や地誌などを研究し、1779(安永8)年に「改正日本輿地路程全図」(赤水図)の初版を完成させた。赤水図は日本地図で初めて経緯線と緯度の数値を記載。地図作製で歴史的に有名な伊能忠敬より42年早く、江戸時代は一般庶民も赤水図を日常的に使っていたという。



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