2019年8月3日(土)

佐竹高生 被災地の高齢者と交流 宮城・東松島

マッサージや吹奏楽披露

「ちょうどあなたぐらいの頃に大曲浜の農家に嫁いだの」と昔話をするお年寄り(左から2人目)=宮城県東松島市
「ちょうどあなたぐらいの頃に大曲浜の農家に嫁いだの」と昔話をするお年寄り(左から2人目)=宮城県東松島市

県立佐竹高校(磯野修校長)の生徒42人が先月、東日本大震災の被災地、宮城県東松島市を訪ねボランティア活動を行った。一行は被災した住民にマッサージを行ったり、歌やクイズ、吹奏楽の演奏を披露したりするなどして交流を深めた。生徒たちは被災した大曲浜地区で犠牲者を供養するとともに、石巻市立大川小学校の震災遺構で語り部の話を聞き、「貴重な体験ができた」「お年寄りに喜んでもらえた」と手応えを感じた様子だった。

東松島市の会場、あおい西集会所を佐竹高の一行が訪ねたのは7月24日。住民約40人が待ち受けていた。集会所がある地区には同市大曲浜地区の住民が集団移転。大曲浜は320人の犠牲者を出し災害危険区域に指定された。

ボランティア一行は、同校の吹奏楽部とJRC部、生徒会で編成。JRC部が茨城と宮城に関するクイズを出題し、解答をするたびに拍手が湧いた。また用意した紙芝居では子どもたちが真剣に聞き入っていた。

吹奏楽部の14人は、ジャズやJポップなど5曲を演奏。生徒全員が中島みゆきの「糸」の演奏に合わせて合唱すると、集まった人たちは静かに耳を傾けていた。

肩もみや手もみをしながら世間話にも花が咲いた。住民の雫石やすよさん(91)は「つらいことを忘れられた。生まれ変わったよう」と喜んだ。大江貞徳さん(76)は「演奏に癒やされた。孫に会っているようだ」と目を細めた。自治会長の菅原忠幸さん(72)は「久しぶりに肩をもんでもらった。復興は進んだが心の交流が大切」と満足そう。

一行は、同市大曲浜地区の慰霊塔で犠牲者に黙とう。児童74人と教職員10人が津波の犠牲になった大川小学校跡へ移動して娘を亡くした語り部の佐藤敏郎さんから同校の思い出とともに、悲惨な当時の状況を聞いた。

ボランティアを指導した茨城女子短期大学保育科教授の塙雅文さん(67)は「家族以外の人との交流を大切にしたい。例えば近所のお年寄りから意見を言ってもらえる客観的な評価が現代に欠けている。学校教育で求められるのは社会との関わり」と語った。初めて震災ボランティアを経験した生徒たちは「住民と交流ができて良かった」「被害の大きさを実感した」「この体験を伝えていきたい」と感想を述べた。(佐藤吉記)



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