2019年8月4日(日)

いじめ 早期対応へ アプリ「STOPit」 匿名で相談、電話より気軽

県内4市村の公立中導入

美浦中学校で行われたいじめ対応とアプリ「STOPit」に関する講座=7月18日午後、美浦村受領
美浦中学校で行われたいじめ対応とアプリ「STOPit」に関する講座=7月18日午後、美浦村受領

スマートフォンやパソコンから、いじめの相談や通報ができるアプリ「STOPit(ストップイット)」の運用が県内で広がっている。匿名で教育委員会の担当者とメッセージのやりとりができるのが特徴。県内では、取手、牛久、龍ケ崎、美浦の4市村が全公立中学校に導入し、いじめの早期対応などに役立てている。

■行動が大事
中学校への導入を7月18日から始めた美浦村。同日、村立美浦中学校(美浦村受領、冨岡正幸校長)で、全校生徒を対象に、いじめの対応やアプリの概要について学ぶ講座が開かれた。講師は、NPO法人企業教育研究会の市野敬介さん(38)が務めた。

2、3年生の講座が同校の体育館であり、生徒は、クラス内でいじめがあったというドラマ仕立ての動画を鑑賞。身近で起きたいじめにどのように対応すべきかを考えた。

市野さんは、いじめがあったときには傍観してしまわず「何か行動することが大事」と呼び掛けた。いじめ相談の手段の一つとして「STOPit」を紹介。参加した女子生徒は「直接知らない人に電話するのは緊張してしまうが、メッセージなら気軽に使える」と話した。

■写真送信も
「STOPit」は米国で開発され、2013年から同国内の学校で活用。日本では、自治体としては、千葉県柏市が17年に初めて導入した。

県内では、同年2月に取手市が初めて運用を開始。その後、昨年5月に牛久市、今年4月に龍ケ崎市、7月に美浦村が導入しており、活用する自治体が県内でも増えている。

パソコンやスマートフォンにアプリをダウンロードして使用するが、相談内容を書き込んで送信すると、学校名と学年だけが市教委の担当者に伝わる。氏名を明かさず匿名でやりとりができる。メッセージだけでなく、写真も送信できる。

アプリは1人当たり年間300〜600円ほどの使用料が発生するが、活用する県内4市村は、教育委員会が料金を負担。生徒は無料で使うことができる。

■効果を実感
牛久市教委によると、同市内では昨年5月から今年3月までの10カ月間で計80件の利用があった。内訳は、テスト送信やあいさつ24件▽部活や恋愛などの相談23件▽友人トラブル17件▽いじめ相談16件-だった。友人トラブルのうち9件は会員制交流サイト(SNS)に関するものだった。

同市教委の担当者はアプリについて「電話だと保護者がかけてくるケースが多いが、アプリだと本人と直接やりとりができる」と指摘する。子どもにとってアプリが身近な存在であることから「気軽に使えるため、相談件数も電話などに比べて多い」と効果を実感している。また、SNSのトラブルでは、撮影したスマホ画面の画像を送信できるため、相談者の置かれた状況が詳しく伝わり、適切なアドバイスができる利点もあるという。

同市では、緊急性のある相談には、学校と連携して早期対応を図るなど一定の成果も上げている。担当者は「選択肢の中にSNSを使った相談窓口があることを知った上で、使いやすいもので悩みを相談してほしい」と呼び掛けている。(秋葉凌)



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