2019年8月21日(水)

筑波大生 常総水害学ぶ 決壊状況や築堤を取材 課題探り減災提案

4年前に堤防が決壊した現場付近で国交省の担当者から話を聞く筑波大生ら=常総市三坂町の鬼怒川堤防
4年前に堤防が決壊した現場付近で国交省の担当者から話を聞く筑波大生ら=常総市三坂町の鬼怒川堤防

筑波大学(つくば市)の地球規模課題学位プログラムで学ぶ学生6人が、4年前の関東・東北豪雨で水害に見舞われた常総市を訪れ、災害時の状況やその後の取り組みなどについて関係者から話を聞いた。授業の一環で、学んだ成果について発表も行い、一人一人が防災や減災について考えた。

同プログラムは、大気汚染や地球温暖化など地球規模課題の解決に向け、さまざまな学問を横断的に学ぶ教育プログラム。2017年10月から始まり、台湾や韓国、インドネシアなどの留学生が主に在籍し、授業は英語で行われている。従来の一方的な講義ではなく、実践的なトレーニングを積むのが特徴だ。

常総市での水害を学ぶ学習は2年生の授業として取り上げられ、7月下旬に2回実施された。

1日目は、鬼怒川の堤防決壊現場や避難所として使われた市地域交流センターなどを訪問。国土交通省の担当者から決壊時の状況やその後の堤防整備について、市職員からは避難所の運営や住民の避難状況について、それぞれ話を聞いた。

2日目は常総市役所での座学と成果発表で、自主防災活動が活発な市内の自治区、根新田地区の須賀英雄さんからマイ・タイムライン(個別版の事前行動計画)作成の取り組みなどを聞き、その後、一連の学習の論点整理に取り掛かった。

成果発表は神達岳志市長ら関係者の前で行われ、学生が国、市役所、住民それぞれの課題を探り、改善策を発表した。

当時、避難指示があったにもかかわらず、避難しなかった住民が大勢いたことが問題となった。学生の一人は「避難所や道路の混雑状況が分かれば、避難行動に結び付くと思う。災害弱者が支援を求めやすいように専用の電話回線があればいい」などと意見を発表した。

今回の水害学習を経験し、インドネシア出身のヴィンセント・チャンドラ・ウィナタさんは「母国の首都ジャカルタ地域では河川整備が十分でなく、大雨による河川氾濫が多い。日本の事前防災計画作りは参考になる」と感想を話した。

学生を指導した川島宏一教授は「常総水害は10日間も水に漬かり、逃げ遅れた住民は4300人と、大きな被害を出した。それだけに教訓として学ぶべきことが多く、学生にとっても課題解決能力を養う意味で大変勉強になった」と述べた。(今橋憲正)



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