2019年8月31日(土)

羽田で保管、国産名機 YS11、筑西に移転 分解運搬、来秋にも公開

ザ・ヒロサワ・シティに移転するYS11=東京都大田区の羽田空港
ザ・ヒロサワ・シティに移転するYS11=東京都大田区の羽田空港

戦後初の国産旅客機として開発されたYS11が筑西市茂田のテーマパーク、ザ・ヒロサワ・シティで展示されることになった。日本の航空産業史上、記念碑的な双発プロペラ機で、国立科学博物館が羽田空港で保管していた。ヒロサワでは保存施設を建てて移転の準備を進め、2020年秋ごろにも公開する予定だ。

展示される機体は1964年10月に初飛行を行い、運輸省(現国土交通省)航空局が飛行場の設備などを確認する目的で使われていた。試作機を含め182機製造された中の3機目で、量産化に道筋をつけた点で価値ある機体だ。

大きさは全長26・3メートル、全幅32メートル。引退後は空港内の格納庫でエンジンや電源の点検をしながら20年間保管してきたが、来年の東京五輪を控え、国際空港として整備を進める羽田空港にも保管場所に余裕がなくなってきた。

こうした中、現役引退した鉄道車両やクラシックカーなどを収集、公開してきたザ・ヒロサワ・シティが受け入れに手を挙げた。保存と公開の両立を模索していた同博物館としても「渡りに船」となり、8月5日、両者で貸与に関する契約を交わした。

機体は10月から羽田空港で解体が始まり、来年3月ごろまでに数回に分けてトレーラーで運搬、新しい保存施設で組み立てられる。油圧・電気系統は復元されない。展示については両者が連携して進めていくという。

8月29日には、羽田空港の格納庫で最後の動作点検が行われた。かつて整備に当たった技術者や博物館、ザ・ヒロサワ・シティの関係者らが見守る中、エンジンを動かしてプロペラを回したり、昇降装置を出し入れしたりするなどして確認した。

同博物館・産業技術史資料情報センター長の鈴木一義さんは「羽田では公開の面で難点があったが、民間の協力を得て新たな展示の方法が実現できる」と感謝。ザ・ヒロサワ・シティの広沢清代表は「後世の日本に伝えるべき貴重な産業遺産であり、公開に向け準備を整えたい」と話した。(飯村雅明)



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