2019年9月5日(木)

漫画家・沖田さん「発達障害、理解を」 当事者視点、苦労語る 鹿嶋で講演会

沖田×華さん(左)と佐藤奈美医師の2人で講演は進んだ=鹿嶋市宮中
沖田×華さん(左)と佐藤奈美医師の2人で講演は進んだ=鹿嶋市宮中

発達障害のある漫画家、沖田×華(ばっか)さんをコメンテーターに、発達障害の正しい知識を啓発する講演会が8月27日、鹿嶋市宮中の鹿嶋勤労文化会館で開かれた。鹿島病院が主催。沖田さんが当事者の視点から生活の苦労を語った。

沖田さんは、中学生までに、LD(学習障害)、ADHD(注意欠如/多動性障害)、自閉症の一種のアスペルガー症候群と診断を受けた。看護師を経て、現在は漫画家として活躍中。自身の障害との関わりを描いた「毎日やらかしてます。アスペルガーで、漫画家で」などの著作がある。

講演は、同病院精神科の佐藤奈美医師と沖田さんの2人で進められ、佐藤医師が発達障害の症状について解説し、沖田さんはイラストを交え、経験を語った。自閉症の症状の一つである良すぎる記憶力について、沖田さんは「嫌な記憶も消せない。前にもあったと思うと強制的に過去10年分の嫌な記憶が一気によみがえる」と壮絶さを説明。そのほか、聴覚の過敏さやADHDの薬物療法の副作用などでの苦労も語った。

発達障害の診断を受けたが、自覚のないまま就職したと振り返り、「上司に何が駄目で、何で怒られているのか分からなかった。相談できる人もいなかった」とつらい過去を告白。当事者が望む支援について、「学生時代に、自分の特性を理解できるカウンセリングの機会などがあれば」と話した。

佐藤医師は、早い段階で発達障害の診断を受け、ケアにつながる重要性を強調。「正しい知識が広がり、親や先生、周囲の人が困っている子どもを診断につなげてほしい。診断後も生活を支援してくれる人が地域に増えれば」と期待した。

同講演は、精神疾患に関する啓発を目指す、鹿行地域精神保健・医療福祉ネットワーク機構研修の一環。市内外から医療や福祉の関係者、市民など約290人が参加。真剣な表情でメモを取る人の姿が見られた。(松浦かえで)



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