2019年9月11日(水)

高級食パンブーム 茨城県内、専門チェーン店増加

地元店対抗、売れ行き好調

さっぱりとした甘さでもちもちとした食感が特徴の生食パンを販売する「ベーカリーYAMAKi」の谷田本店=水戸市谷田町
さっぱりとした甘さでもちもちとした食感が特徴の生食パンを販売する「ベーカリーYAMAKi」の谷田本店=水戸市谷田町

原材料や食感、食味にこだわり、焼かずにそのまま食べてもおいしい生食パンなどの高級食パンを販売する全国展開のチェーン店舗が茨城県内で増えている。一方、地元店は独自の製法を生かし、地域性を踏まえて商品を開発するなど多様な種類や味で展開。消費者の要望や家族構成といった生活環境に合わせて、食べ切りサイズで販売するなど工夫も見受けられる。“こだわりの食パン”の売れ行きは好調だ。

高級食パンブームの火付け役といわれ、高級生食パン専門店「乃が美」(大阪)を筆頭に専門店の新規開店も相次ぐ。乃が美は全国で140店舗(6日現在)を展開し、2018年7月に県内初となるつくば店(つくば市学園の森)をオープン。水戸市内にも出店する計画を進めている。

さらに今年に入り、全国展開の2社が進出。焼きたて食パンをリーズナブルな価格で提供する「一本堂」(東京)はつくば桜店(つくば市桜)と牛久中央店(牛久市中央)をオープン。全国で122店舗(6日現在)を誇る。

22店舗(6日現在)を展開し、1種類1本売りの「純生食パン工房 HARE/PAN」(埼玉県越谷市)は7月にひたちなか店(ひたちなか市東大島)、8月に守谷店(守谷市けやき台)をオープンさせている。

一方、地元店も対抗している。52年の老舗で水戸市内に2店舗を構える「ベーカリーYAMAKi」は、生食パンを昨年6月から販売する。米粉入りの湯だねと豆乳を使い、しっとり柔らかな生地とほのかな甘みが特徴。プレーンのほか、あずきやコーヒーなどのあんが入った多種類を用意し、大きさは全て1斤の半分にした。価格は一般的な食パンの2倍以上と高級だが、他の商品と比べて1日平均10倍以上の個数を売り、過去最高となった同店の昨年度売り上げをけん引した。

鯉渕さとる代表(40)は「一度食べたら再び買ってくれるパンで、リピーターがつきやすい」と話す。8月の6日間、京成百貨店(水戸市)が初めて開いた催事「ベーカリーフェア」では会場の半分のスペースに高級食パンを扱う店舗を集めた。1日700個以上を売り上げた「ベーカリーYAMAKi」を含む県内外8店舗が出店し、一部店舗で配った整理券はほぼ完売。同百貨店は「群を抜く催事の北海道物産展をしのぐ混雑で想像以上に盛況だった」と驚く。

県内外で多店舗展開する「パン工房クーロンヌ」(取手市戸頭)のプレイアトレ土浦店(土浦市)は、食パンは自社製の天然酵母を使った生食パンのみ。駅隣接という立地を踏まえ、贈答用やカフェで食べるメニューとして選ばれるような食パンを目指した。気軽に手に取ってもらえるよう一回り小さいサイズで、同店は「日常的に使える食パンとして、土浦駅の名物になるようパッケージ開発にも取り組んでいる」と話す。「ひまわりぱん」(常陸太田市)でも生食パンが1、2位を争う人気商品だ。

調査会社の矢野経済研究所(東京)によると、17年度の国内パン市場規模は前年度比1・4%増の1兆5582億円となり、ここ数年プラス成長が続いているという。高級食パンブームはプラス成長が続く国内パン市場をけん引する一因とみられる。

同研究所は22年度の国内パン市場規模は1兆6245億円と予測しており、「根強いファン層に支えられ、今後もパン市場の一翼を担うものと考えられる」としている。(大貫璃未)



次の記事:水戸の京成百貨店 和洋菓子5店が開店

最近の記事

全国・世界のニュース

2019 年
 9 月 19 日 (木)

メニュー
投稿・読者参加
サービス