2019年9月13日(金)

茨城県内ガソリンスタンド1000店割れ エコカー普及で需要減

収益増へサービス向上 女性トイレに休憩室も

快適性を高めたトイレについて説明するセキショウカーライフ阿見東インター店の中田広樹店長=阿見町よしわら
快適性を高めたトイレについて説明するセキショウカーライフ阿見東インター店の中田広樹店長=阿見町よしわら

ガソリンスタンド(給油所)の減少に歯止めがかからない。規制緩和による競争の激化やエコカー普及で需要減少などで経営環境が悪化。後継者不足なども相まって廃業や撤退を迫られ、今年3月末時点での県内の給油所数は992店で、千店の大台を割り込んだ。過疎地対策や災害時の対応などが課題となる中、収益増に向けサービス向上を図る動きも出ている。

民間信用調査会社の東京商工リサーチがまとめた2018年(1〜12月)の給油所の倒産状況は、全国で前年比25・0%増の35件で5年ぶりに前年を上回った。原因別では販売不振が24件で最多。一方、休廃業・解散の件数は前年比36・5%増の198件となり、ここ5年で最も多かった。

経済産業省資源エネルギー庁によると、18年度の全国の給油所数は1994年度末の6万421店をピークに減少に転じ、2018年度末で3万70店にまで減少。県石油商業組合によると、県内も1994年度末に最多の2038店に達した後は減り続け、現在は半数以下にまで減少している。

経産省は給油所が3カ所以下しかない自治体を「給油所過疎地」と位置付けており、県内では河内町と利根町が4店にとどまっている。

給油所減少は石油製品の輸入自由化、ドライバーが自分で給油するセルフ式の解禁などの規制緩和、大型商業施設など異業種からの新規参入で競争が激化しているのが要因に挙げられる。さらにハイブリッド車や電気自動車などエコカーの普及や若者の車離れなどでガソリンの販売量自体も年々減少し、経営を取り巻く環境は年々厳しさを増している。

2011年2月に施行された改正消防法で、古い地下タンクの改修・交換が義務付けられたことも経営の重荷となり、廃業を加速させた。

地域での給油所の減少は日常生活に支障が出ることに加え、災害時の対応も課題となる。災害時に素早く復旧する機能を持ち、緊急車両への給油を優先する「中核給油所」が県内に47カ所あるほか、地域住民向けの「住民拠点SS」が約130カ所設置されているが、県石油商業組合は「このままだと引き受けるところがなくなる地域が出る恐れがある」と懸念する。

一方、給油所の経営改善に向けた取り組みも進む。関彰商事傘下のセキショウカーライフは、女性用トイレにパウダールームを設けるなど快適な休憩室を備えた「阿見東インター店」(阿見町よしわら)を昨年10月に首都圏中央連絡自動車道(圏央道)阿見東インターチェンジ近くにオープンさせた。

トイレはキッズルームや多目的ルームがあり、着替えに使えるフィッティングボードも用意した。休憩スペースは白を基調に清潔感を演出した。

給油だけでなく、洗車やタイヤ交換、点検・修理などの際にくつろげる店舗とすることで来店頻度を高めるのが狙い。同店の中田広樹店長は「お客さまから選んでもらえるSS(ガソリンスタンド)を目指したい」と話した。(長洲光司)



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