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《茨城国体》自転車 少年男子スクラッチV 木村 風を切る

〈自転車少年男子スクラッチ決勝〉ゴール前でスパートをかけ、優勝を果たした木村皆斗(取手一高)=取手競輪場、鹿嶋栄寿撮影
〈自転車少年男子スクラッチ決勝〉ゴール前でスパートをかけ、優勝を果たした木村皆斗(取手一高)=取手競輪場、鹿嶋栄寿撮影
〈自転車少年男子スクラッチ決勝〉優勝を果たし、試合後、笑顔で喜ぶ木村皆斗(取手一高)=取手競輪場
〈自転車少年男子スクラッチ決勝〉優勝を果たし、試合後、笑顔で喜ぶ木村皆斗(取手一高)=取手競輪場


「このためにやってきた」。レース終了直後に仲間と抱き合った時、万感の思いが込み上げ、うれし涙を流した。少年男子スクラッチ決勝で木村皆斗(取手一高3年)がトップでゴール。8月の全国高校総体で優勝した実力を発揮した。

20周するレースの当初から、他県選手の厳しいマークを受けた。残り3周まで3人が先行して抜け出したが、「このまま逃がすわけにいかない」と周りの選手たちの動きを秒単位で読み、駆け引きを見せた。

予選では先行者に逃げ切りを許し3位だった反省を生かした。速度を上げて残り1周で先行者を捉えると、最終コーナーで一気に抜き去り優勝を決めた。「相手の動きを封じ込めて、自分の持ち味であるダッシュ力を使えた」と作戦勝ちを強調した。

国体に向けて、エンジン付自転車の後ろを追って時速70キロで走る特訓などで、実際のレースに近い負荷を高めた練習を重ねた。練習場であり、本番会場の取手競輪場は路面の抵抗が強めで「重いコース」とされる。他の選手が戸惑う中、地の利を生かした。

毎日、千葉県流山市の自宅から片道20キロ弱を40分で走る自転車通学も大事なトレーニングだ。競技場では同級生らの声援を背中に受けて走った。「応援が最後の一踏みの力をくれた。自分1人の力ではできなかった優勝。皆に感謝したい」と語った。

今月下旬に競輪選手養成所を受験してプロの競輪選手を目指す。中学2年から自転車競技を続けてきた。「自分の選択は間違っていなかった」。次の目標は目の前だ。 (綿引正雄)

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