2019年10月8日(火)

移植目指す桜川の菊池さん(18) 難病向き合い仕事打ち込む

医療的ケア児支える

利用者の子どもに寄り添う菊池遥加さん=筑西市幸町の重症心 身障害児デイサービス施設「きなり」
利用者の子どもに寄り添う菊池遥加さん=筑西市幸町の重症心 身障害児デイサービス施設「きなり」

筑西市幸町2丁目の重症心身障害児デイサービス施設「きなり」に今年4月、新入職員が入った。桜川市門毛、菊池遥加さん(18)。生まれつき腸が機能しない難病「ヒルシュスプルング病」を患い、入退院を繰り返してきた。社会人になって半年。自身の病気と向き合いながらも、前向きに仕事に打ち込んでいる。

菊池さんは、生まれてすぐ腸の異常が分かり、生後3カ月で人工肛門(ストーマ)を設けた。後に「ヒルシュスプルング病類縁疾患」と診断。小学校入学まで入院生活を送り、自宅にも帰れなかった。その後も、体調を崩しては入退院を繰り返す日々だった。

今年3月、県立協和特別支援学校を卒業。就職先が決まるまでは苦労したが、以前に自分の訪問看護を担当していた同施設代表の鈴木宏美さん(38)の誘いもあり、同施設で働くことが決まった。

「職場に迷惑を掛けてしまわないかと戸惑いもあったが、誰かの役に立ちたいという思いが一番だった」と菊池さん。母親の美里さん(42)は「就職がなかなか決まらなかったので、家族みんなで泣いて喜んだ」と振り返る。

たん吸引や人工呼吸器などの医療行為が日常的に必要な「医療的ケア児」を預かる同施設で、週5日、指導員として働いている。清掃や洗濯、作業の補助などが主な仕事だ。

菊池さんは体に人工肛門のほか、腸に穴を開けて栄養を調整する「腸ろう」も設けている。毎晩、首の静脈からカテーテルで栄養を注入することも欠かせない。季節の変わり目などは体調を崩しやすく、油断はできない。菊池さんは「体力的につらいこともあるが、仕事は楽しい。職員同士協力しながらやっている」と話す。持ち前の明るさと笑顔を前面に仕事に向かう。

就職して半年。職場にも慣れた。「病気は誰のせいでもないし、悪いことじゃない。病気じゃなかったら、出会えない人もいたし、いろいろな人に関わることもなかった」と菊池さん。施設を訪れる母親たちに、自分の病気の経験を話すこともある。

鈴木さんは「(菊池さんの存在が)今、病気の幼い子と向き合っているお母さんたちの希望にもなっている。重度の障害がある人の就職は受け入れ先が少ないなど課題はあるが、彼女も一緒に働く私たちも、お互いに成長をしていけたら」と見守る。

菊池さんは今、小腸の移植を目指し、準備を進めている。移植はリスクを伴うが、「成功すればできることが広がる。もっと体力をつけて、幼い頃からの夢だった看護師になりたい」と語る。その上で「たくさんの人に支えられ、こうして成長できた。今、病気と向き合っている人たちの力になりたい」と話している。(平野有紀)



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