2019年10月11日(金)

障スポ中止 切ない撤去作業 会場自治体 万全の準備、水泡に 職員ら落胆も「仕方ない」

全国障害者スポーツ大会の中止が決まり、撤去される卓球台=10日午後4時10分ごろ、日立市池の川さくらアリーナ
全国障害者スポーツ大会の中止が決まり、撤去される卓球台=10日午後4時10分ごろ、日立市池の川さくらアリーナ

茨城県で開催予定だった全国障害者スポーツ大会(障スポ)の中止が10日決まり、準備を進めてきた会場地の各市は、むなしく撤去作業を始め、職員からは落胆の声が出た。

卓球・サウンドテーブルテニス会場の日立市池の川さくらアリーナ(同市東成沢町)は午後1時半ごろから、卓球台や周りを囲むフェンスの撤去が始まった。市国体事務局競技運営課の秋葉真実さんは「切ない気持ちだ」と唇をかんだ。

昨春から同僚2人と障スポを担当。この数日は台風19号の進路に関する天気予報をにらみながら「何とか茨城をそれてほしい」と祈るような気持ちで過ごしてきた。同事務局としても国体を無事乗り切り、残る障スポに一丸で取り組むことになっていた。秋葉さんは「集大成になるはずだった」と複雑な表情を見せた。

ソフトボールとフットベースボール、グランドソフトボールの三つの屋外競技が行われる予定だった常陸太田市は朝から仮設フェンスを撤去したり、歓迎ののぼり旗やプランター、会場までの案内板などを回収する姿があった。

山吹運動公園(同市新宿町)は、前日の9日に駐車場と競技会場を車いすでも通行できるように設置した木製スロープを撤去。大工の男性(49)は「自然のことで屋外競技だから仕方がない。作業の安全性なども考慮すると早い判断は良かったのではないか」と話し、忙しく作業を進めた。

フライングディスク、バスケットボール、オープン競技の車いすダンスの会場だった水戸市は、台風が通過した後に競技が行われることも想定して準備を進めていた。競技会場は避難所に指定されておらず利用が可能な状態だった。

バスケットボール会場のアダストリアみとアリーナ(同市緑町)は会場設営が完了した直後の10日午後3時、中止の連絡が入り一転して撤収に。コート上のテープのライン剥がしや、飲料水の搬出などの作業が続いた。担当の県職員は「悲しいです」と落胆していた。

バレーボール(知的障害者)が行われる予定だった結城市も会場の設営は終わり、台風への備えを進めていたが、大会中止の知らせを受け撤収作業に追われた。かなくぼ総合体育館(同市鹿窪)は、同市の拠点避難所に指定されており、撤収後は避難所設営も必要。同市国体推進室は「体育館は避難所にも指定されており、やむを得ないのではないか」としている。(川崎勉、飯田勉、清水英彦、平野有紀)



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